有頂天ホテル

監督/脚本:三谷幸喜
見にいってきました。
「有頂天時代」と「グランドホテル」をかけ合わせたタイトルということですが、「限られた時間と限られた空間」という意味で「グランドホテル」へのオマージュを強く感じさせる(実際にそう言及するシーンもあるし)映画でした。
面白かったです。三谷幸喜監督映画としては、今まで見た中で一番面白かったかも。先を予測したり気が逸れたりすることなく、物語にどっぷり浸って笑える映画だった。
例えば「ラジオの時間」では「限られた空間」ということにこだわりすぎてる気がしたけど、今回はホテルという広い空間があるので息苦しくない。テンポよく物語が展開していくのも飽きさせない。
個人的に群像劇は大好きだし、複雑な構成の物語を、見事にまとめているなぁというカタルシスはあるんだけど、どうも重なるエピソードが多いようにも感じた。大雑把に言うと、歌を巡って3人、過去の恋愛が2組、偶然の再会は3組、移動していく「もの」もたくさんある。そこを重ねるなら、もう少し違うエッセンスを入れても良かったんではないか、とか、あと1つ、最後に回収される大きな問題のような、芯が欲しかったとか、贅沢なことを思ってしまった。いや、でも面白かったです。中でも、特に関心したのは松たか子さんの入れ替わりエピソードでした。
今回は、あて書きした通りのキャストが揃った、とどこかで三谷監督がいっていたのを見たけど、キャストが本当に豪華。そして皆はまってる。
私は役所さんが大好きなので、堪能いたしました。

 Grandaddyの新しい、そして最後のアルバム

「I Think So 思う。」さんの記事(http://mezzanine.s29.xrea.com/archives/2006/01/28000355.php)で、5/9にGrandaddyの新しいアルバムが出る、といううれしいニュースとともに、それが最後のアルバムになるっていう残念なニュースを知った。
うーん、切ない。Grandaddyはデビュー当時から好きで(というか私の周囲は皆1st大絶賛だった)、2000年のサマソニで見たライブも印象に残ってます。確か、ちょうどその頃、デイヴ・フリッドマンがブームだった(ような気がする)ので、Grandaddyも(デイヴのプロデュース作品はなかったとは思うけど、音は近いものがあるので)その波にのってブレイクするだろうと思ってたのに、なかなかアルバムを出しても話題にならないバンドだった、というイメージがある。日本盤が出てないアルバムも結構あった気がするし。そして、そういうバンドってたくさんあるんだよな。Six By SevenもLong Pigsも解散しちゃったしなぁ。RESERVORとか何してるんだろ。アフガンウィッグスだってすごい良いバンドだったのになぁ。スパークルホースとか大丈夫かな。
なんて言いつつ、私もGrandaddyも前のアルバムとか買ってないんだけど、でも、2ndとかはほんともう、よく聞いたもんだった。近未来的で感傷的な感じがぐっときていたんだった。
そして、久々にひっぱり出してきて聞いてみたら、やっぱり良かった。とりあえずは、新譜を楽しみにしようと思います。

Sophtware Slump

Sophtware Slump

 赤羽39/theピーズ

赤羽39

赤羽39

最近はこのアルバムを聞いています。いい。もう40になる手前ギリギリの赤羽ロックンロール。
検索してて見つけたミュージックマシーンさんのインタビューが面白かった。

ベースとかすごい適当。気分で動いたり止まったりしてる
http://www.musicmachine.jp/interview/pees/

なんていう言葉とか、今もラジカセで曲作ってるとか、ドラムは手数少ないのがいい、とかね。私は手数多いドラムが好きだけど、なんというか、言いたいことがシンプルな曲にはやっぱ隙間のあるドラムがあうような気もするよ。
このアルバムでの歌詞は、インタビューにもあったけど、「なんで生きてんだろうなあ」とか「死んだらおしめえだなあ」というものが多い、ような気がする。特に2曲めから5曲めくらいまでの流れが好きだ。

戻らない人生も 半分はとっくだな
マチガイも温めよう 今更リセットもないさ
死ぬまで泳いでく クタびれたかい そうかい
溺れるまでサボるかい 誰も手貸し切れないさ
「ノロマが走って行く」
やるだけやって この程度で
今更思い残し無えのか
「リサイクリン」

こんな風に、自分を鼓舞しつつ、でも力が抜けてる感じが、ピーズなんだろうなぁと思います。私はまだ「トドメをハデにくれ」くらいの場所にいる気がするけど、あーなんか、良いアルバムだなぁと単純に思いました。いい曲が多い。「こんなもんだ オラもう ヤめねんだ」と言った次の曲で「限界はもっと向こうだ」って言ってしまう感じが好きです。