うめめ/梅佳代

うめめ

うめめ

うめかよさんの写真集、本屋さんで手に取ったら、これもう買わずにいられなかった。だってにやにやしちゃうもんね。家かえって何度も眺めて、ああこれこうだったんだ! とか、新しい発見しつつ、何度も笑っています。
たのしい。
ほんとにたのしくて、おもしろい写真集だと思います。何でこんな写真とれるんだろう。そんなことを考えながら何度も見ています。町を歩いていても、うめかよさんの写真のことを考えてしまいます。写真集をみていると、こんなおもしろい風景に、私も出くわせるような気がしてくるけど、それはめったになくって、でもけして遠くないって思える。すこしだけ町の、人の、見え方がかわってしまうような威力。
どの写真にも、ひとを肯定するようなたくましさがあって、でも不粋じゃないのね。それこそ、言葉が追い付かないような、この瞬間のはじけるような生っぽさは、そこに写らない、うめかよさんの視線を感じさせる。
私はこんなふうに世界を見れてるだろうか、とか思う。なんてね。
大好きです。

明日からリトルモア地下で写真展があるので、続きはそれいってまた。
http://www.littlemore.co.jp/chika.html

 バラ色の明日/いくえみ綾

バラ色の明日 1 (集英社文庫)

バラ色の明日 1 (集英社文庫)

いくえみ綾さんの作品は、実は全然読んだことなかった。そういえば、と思ってこれを買いました。別冊マーガレットに連載されていた短編/中編シリーズ。
文庫版1巻の巻末に収録されているインタビューで、多彩なキャラクターを描くコツは?という質問にたいして「自分の好きな人も、嫌いな人も、興味ない人もとりあえず描く」と返しているのを読んで、ああ、プロだ、とか思う。
ぜんたいを覆う雰囲気は、決してバラ色ではなくて、白のなかに、ほんのり赤みのさすような、そんなイメージ。
自分の感情をそこに当てはめて気持ちの逃げ場になるよーなお話は少ない。のは、たぶん思いがかなって、幸せ、というお話があんまりないからで、でもたとえば友達でいられることを喜ぶような、恋人でなくても大切であるような、そんな関係っていうものこそが、物語なのかもしれないなと思う。現実のがずっと白黒ついていて、あいまいなままでいられなかったり、しないかなどうかな。