「呼び出し一」1巻/中村明日美子

中村明日美子さんが相撲漫画を描くらしい…という記事を読んだときはとても驚きましたが、タイトルを見て「なるほど!」と思いました。というのは中村さんの絵というと、とても線の細いイメージなので、力士が主人公っていうのが想像つかなかったからなのですが、実際読んでみると、主人公の男の子のたたずまいと力士の人の絵の「漫画」と「絵」のような描き訳が、物語の内容にもとてもあっているように感じました。そして中村さんの描くお相撲さんがまたかっこいいんだ。

呼出し一(1) (モーニング KC)

呼出し一(1) (モーニング KC)

この1巻では、主人公の男の子が、相撲ファンの両親に「呼び出し」さんになることを勧められ、いやいやながらも相撲に興味を持ち始めるところから始まります。
呼び出しさんについて私は良く知らなかったのですが、そういう、知っていそうで知らない世界のことを描いた漫画って最近のはやりのような気もする。
でもそれだけじゃなくて、知識的な部分が物語にとって不可欠なものとして生かされているから面白いんだよなと思う。主人公と同じように、そうなんだ!って思うことができるのが楽しい。

しばらく休業されるということで、続きが読めるのは少し先のことになるのかもしれないけれど、楽しみにしています。

 なつやすみ

仕事がお昼で終わった日、思い立って野中ユリさんの個展へ行った。初めて行くギャラリーだったのだけど、思いつきでも携帯があればすぐ会場が調べられるというのは、本当に便利だ。
会場である「LIBRAIRIE6/シス書店」*1では、野中ユリさんの作品だけでなく、常設展示をやっているといういろいろな人の作品を丁寧に解説していただいて、とても楽しかった。特に山本昌男さん*2という方の写真がとても素敵で、消え入りそうな鳥の写真と、発光しているかのような水溜りの写真が気に入って、他の作品もあればぜひ見てみたいなと思った。
ギャラリーを出ると真昼の強い光がわっと押し寄せてきて、なんだか先ほどまでの時間が夢のような気がした。

日曜日も昼過ぎまで仕事。仕事として、やれることとやりたいことの折り合う点がかすかに見えたような気がして、すこし早足になった。
夜の待ち合わせまで時間があったので、行きたかった「ブリューゲル版画の世界展」*3を見にいった。目当ては有名な「バベルの塔」だったのだけど、これは油絵のものしか見たことがなかったので、細かい線が良く見えるのが新鮮だった。会場ではブリューゲルと同・次世代の画家の作品も同時に展示されていたのだけど、今回のポスターにも使われている絵のようなユニークさがあるのはブリューゲルの作品だけといってもよかったと思う。画面のあちこちに書き込まれたキャラクターには、アニメーションぽい動きがあって、見ていてとても面白かった。

夜、友だちとあって近況を報告しあって帰宅。そして今日から夏休み。