「清々と」2巻/谷川史子

清々と 2 (ヤングキングコミックス)

清々と 2 (ヤングキングコミックス)

谷川史子さんのお話には「意地悪な人」がでてこない。たとえなんらかのトラブルがあったとしても、そこには必ず理由があるし、最終的にはお互いに歩み寄るというハッピーエンドがほとんど約束されているというのに、それでも谷川史子を読みたいと思う。
この「清々と」を読んでいて思ったのは、この「平和が約束されている感覚」と、「退屈」がイコールにならない絶妙なバランスが、「けいおん!」にもあったなーということでした。
終わらない日常を理想的に描くのではなく、主人公たちには葛藤があり、それを経て成長しつつ、必ずやさしい後味が残る。それをデビュー当時から貫き通しているのが谷川史子であり、「けいおん!」の魅力でもあるんだと思います。

みやびちゃんの「ごきげんよう」のセリフの完璧さ。一見こわいひとにみえた九条さんと仲良くなるお話や社交ダンス部のくるみちゃんが家に泊まりに来る場面とか、ももういちいちかわいいです。

 「にこたま」3巻/渡辺ペコ

にこたま(3) (モーニング KC)

にこたま(3) (モーニング KC)

二子玉川の話のようでそうではない「にこたま」の3巻。どの巻もわりとしんどいお話ですけども、それはこの主人公カップルの間にできてしまった溝が3巻経っても埋まらないし埋まる気配も見えないからなんだろうなと思う。
この漫画は、モノローグはあるけれどそこで心情を吐露するようなことはあまりない。主人公は「あっちゃん」なんだと思うけれど、特に彼女については明らかに線を引かれている感じがあって、だから読んでいてこんなに息苦しいような感じがするのかな、と思いました。
続きが楽しみ、というか、どのような結論にたどり着くのかを読みたいです。