「小説すばる」に掲載されたシリーズ「かわいい壊れた神様」に書き下ろし3編を加えた短編集。
- 作者: 古川日出男
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2004/10
- メディア: 単行本
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で、この短編集には、全部で19もの短いお話が収録されている。
いろんな語り手がでてきて、時には作者自身と思われる人物も登場して、彼らの語る「世界」はここと、少しずつずれているけれど、でも重なっている感じがする。例えば夜。眠っているあいだに見る夢のように、その幕切れは時にあっけなく、またある時には目覚めても続く。
じっさい、これはそんな風にして集められた、物語の断片なのだと思う。だからわたしはここにそれ以前、以後の物語を見るし、これから語られるかもしれない物語についても、思い浮かべてみたり、する。
「あたしはあたしの映像のなかにいる」「オトヤ君」「さよなら神様」が特にすきだ。「台場国、建つ」は、声亡き言語が誕生するその瞬間に、そそられた。