メリダとおそろしの森

twitterでみかける感想を読んで気になって見にいきました。とてもいい作品でした。
それと同時に、ピクサーがこれを作るということを、少し意外に感じたりもしました。というのは、「メリダとおそろしの森」は、これまでのピクサー作品の「子どもを向いて作られているけれど、大人が見ても楽しい」という傾向からはずれ、むしろ大人を向いて作られている作品だと感じたからです。特に、思春期以降の女性向けかな、と思います。

ある王国のお姫様であるメリダは、幼い頃からおてんばで、自然の中を駆け回るのが大好き。しかしある日、お見合いをして結婚をしろと母親に迫られ、メリダは抵抗を試みる。
メリダとおそろしの森」は、主にメリダという娘とその母親の物語で、その関係の描かれ方に対して共感したり、違和感を感じる人はいるとは思うのだけど、個人的にはしっくりくる描かれ方でした。母親を拒絶して、受け入れるまでのしんどい感じを描きつつ、でも母親も、父親も「悪」として描かず主人公を「善」ともしないさじ加減がちょうどいい。
「母と娘の物語」って(ぱっと思いついたの「ステラ」くらいなのですが)、実写だと少し重くなってしまいがちな気がするんです。でもメリダはアニメーションだからこそできる表現で変化を描いていた気がする。そして、物語中におこるある出来事によって「言葉」なしに2人の関係の変化を描くのも、良かった。

時間がちょっと短かかった気がするのは残念。魚とりの場面にはじまる和解はもう少しじっくり見たかった。
反面、ばんえい競馬の馬みたいに大きくて重そうな馬でかけまわるメリダのおてんばっぷりや、髪の毛のぼさぼさ具合を丁寧に描いてたのはすごくよくて、その辺が子ども向け/大人向けの境界線なのかもなって気がします。
実際この映画を見た子どもがどう感じたか、きいてみたい。あと男性の感想も気になります。

それから、今回は吹き替え版で見たのですが、大島優子さんのメリダはとてもよかったと思いました。正直TVCMで見たときは、大島さんの声にしか聞こえないなーと思ってたんだけど、本編では顔が思い浮かぶようなこともなく、少しハスキーな声は活発なメリダによくあってたと思う。
TVCMで流れてる予告は正直いまひとつ面白そうじゃ無かったし、この内容を全然想像しなかったので、あのCMなのもったいないなーとおもいました。