「おはようおかえり」2巻／鳥飼茜

おはようおかえり(2) (モーニング KC)

上半期面白かった漫画（http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20110630/p1）にも書いた「おはようおかえり」の第2巻。１巻は主人公のお話が中心でしたが、２巻では姉二人の背景が中心に描かれています。
気の優しい、少々優柔不断な主人公と、彼をこきつかう美人の姉2人、という構図はなんとなく西村しのぶさんが描きそうな設定ではありますが、３者３様の恋愛が描かれつつ、随所にもりこまれる食事がたいへん美味しそうな漫画で、ご飯のおいしそうな漫画はいい漫画だよねーと思って読んでいます。
京都観光MAPが付いていて、物語中に登場した喫茶店や料亭について知ったりするのも楽しいのですが、主人公がつくる、２種類のお雑煮もとてもおいしそうだなと思いました。
もちろん、おいしいそうだけでなく、「京都には「天井」がある」という言葉と、その言葉に近い思いを抱えている登場人物たちの葛藤がとても新鮮に読める漫画でもあります。京都に暮らしたことのある人だとまた感じ方が違うのだろうか、と思ったりもしています。

黒髪のヘルガ／朔ユキ蔵

黒髪のヘルガ (F×COMICS)

表紙を見て、朔ユキ蔵さんが少女漫画書いてるのかーめずらしいなーと思って買いました。
「時期外れ」と呼ばれ忌み嫌われている黒髪の少女、ヘルガの暮らす町の人々は、みなあることを忘れて暮らしている。そのことを覚えているのはヘルガとその町の市長だけ。
ファンタジーなんだけど、読み始めるとすみずみまで朔ユキ蔵さんの漫画で、読んでると切ないお話なんだけど、ところどころ笑ってしまうような独特のテンポもあり、面白かったです。
読み終えてみたら掲載紙エロティクスFで、なるほどーと思いました。