「ウォリスとエドワード」

監督:マドンナ
予告を見た段階ではあまりそそられなかったのですが、「ガールズムービーだよ」という話を聞いて見に行ってきました。行ってよかったです。

アメリカ人女性ウォリスと、彼女と結婚するために、王位から退位することを決断したエドワード8世の物語と、2人の恋に興味を持っている現代ニューヨークに暮らす女性ウォリーの物語を交互に描いていく物語。
時間軸が行き来する描き方は、正直ちょっとぎこちないなとも思うし、ウォリーがなぜ2人に興味を持ったのかとか、もっと最初で描くべきじゃないかとか、突っ込みどころもいくつかある映画だとは思うんです。
でも、ウォリスという女性が自らの武器として挙げた「着こなし」と、男性のあしらい方、立ち居振る舞いの描き方を見ていて、マドンナはとにかくウォリスを描きたくてこの映画をとったんだろうなーと思いました。「世紀の恋」などともてはやされたものの、その実際は夢のようなものではないのだ、という主張の後に描かれるウォリスとエドワードのラストシーンはぐっとこざるを得ない。
それからウォリーパートの、はじめてお茶するシーンもよかった。
ウォーリーがエフゲニに「その時計いいわね」っていった後、

W「from?」E「my wife」W「are you married?」E「was」

っていう会話が、英語もそういう単語(?)だけの会話するんだなと思って新鮮だった。
それからエフゲニが横断歩道を渡っていくウォリーを見てるとこはよかったなー。あんな風に誰かの背中をみるとかなかなか出来る事ではないので、見送る背中のある人は今のうちにたくさん見送っておくべきだと思いますよ!

 「危険なメソッド」

監督:デビッド・クローネンバーグ
連れ立って見に行ってきました。楽しかった。

映画はユングの患者であったザビーナという女性が、研究者として1人立ちするまでを描いたお話。少し違うかもしれないけど大筋はそこかなと思います。
私が初めてクローネンバーグ映画を見たのは「クラッシュ」で、当時はまだ映画を選んで見るようになった(雑誌の映画評読んで見るとか監督でレンタルするとか)くらいだったので正直ものすごく困惑したんですけど、この「危険なメソッド」を見ると、人間の性癖や嗜好を分析するような視点に近いものがあって、いろいろと腑に落ちるようなところもありました。
役者たちの演技もとても緊張感とインパクトがあって、よかったです。前半のクライマックスでもある、キーラ・ナイトレイがある告白をする場面(ユングが聞き返すとこ)で、場内のひとがいっせいに身じろぎしてざわっとなったのが面白かった。私も、どんな話かよくわかっていなかったので、あそこは「……まじで?」ってなりました。
あと、自分はtwitterによく見た夢について書くんですけども、この映画でのフロイトユングの会話を見ていて、もしフロイトがTLにいたら全部性的衝動と結びつけられてしまうのかな…と思ったりしました。
と、なんとなくぼんやりした感想しか書けないのは、最後の最後でちょっとうとうとしてしまって、肝心なラストシーンの台詞を聞き逃してしまったからです…。けしてつまらなかった訳じゃないんですがつい意識を失ってしまってました。もったいない…。