暗戦デッドエンド

暗戦 デッドエンド [DVD]

暗戦 デッドエンド [DVD]

再びジョニー・トー監督作品。
末期ガンで余命数週間と宣告された男(アンディ・ラウ)が最期に仕掛ける完全犯罪、そしてそれに立ち向かう血気盛んな刑事(ラウ・チンワン)。というスト−リーなのですが、とても面白かったです。「ダイ・ハード」や「48時間」のハリウッド映画を思わせるような部分もありつつ、基本はやはりハードボイルド。
先日見た「ロンゲストナイト」の時は、正直好きじゃないなーと思ってしまったラウ・チンワンさんも、今回の「冴えてて愛嬌もある」刑事の役はとても良かった。そして、アンディ・ラウさんが素晴らしいです。先日のインファナルアフェア3に続き、なんだか新しく映画を観るたびにアンディさんに対する印象が変わっていきます。いろんな役が出来る人なんだな、と純粋に尊敬してしまう。特にラストの「どこで死んでもいい」という台詞に続くシーンは猛烈にかっこよかった。
私は今まで香港映画に対して、「行き当たりばったりな撮影(脚本)で、ここぞ、という見どころをえんえんと見せ続ける」というなんとなく間延びしたイメージを持っていたのですが、その印象とは逆に、ジョニー・トー監督の作品は、この「暗戦」にしろ、先日見た「ザ・ミッション」にしろ、極力説明的な台詞をはぶき、テンポ良く、凝った構図で見せる、という所を心掛けているように感じます。
中でも「暗戦」の良かったところは、説明をしていなくても、筋や伏線がきちんと無理なく生かされているところ。主人公二人のキャラクターもバランスが良いし、バスの中で出会う女性とのエピソードも後味が良い。
とにかく面白かった。2もあるみたいなので見てみたいです。