攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society [DVD]

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society [DVD]

神山健治監督による「S.A.C.」シリーズの第三弾。
物語は「2nd GIG」から続いているものなので、素子がいなくなった後の公安9課が描かれている。最初は9課の面々の変化を複雑な気持ちで見ていたのだけど、だんだんと、ああこの人はこういう人だった、と思えるような、キャラクターの個性を感じる作品だった。
アニメフェアのインタビューで神山監督が「2nd GIGが終わった時、素子(少佐)の心理状態が暗いまま終わってしまったという思いがある。新作では彼女が元の明るい素子に戻れるかどうか、それにチャレンジしている。ぜひ見届けていただきたい」*1と話していたけれど、確かにこの「SSS」はテレビシリーズのアウトロとしての役割を果たすものでもあったと思う。ただ、それだけでなく、「SSS」単品を観ても物語を楽しめるように作ってあって、その点では「S.A.C.」シリーズの集大成といえるんじゃないだろうか。だからちょっと、既視感のある場面や台詞とかあるんだけど、それはむしろ感慨深かった。
「STAND ALONE COMPLEX」は「劇場型値犯罪」、「2nd GIG」では難民問題が主軸におかれていましたが、今回主題となったのは「高齢者問題」。ただ、ひとくちに高齢者問題をあつかったというのでもなくて、事件の核となる部分の葛藤は、もうちょっと掘り下げて欲しいと思う部分もあり(シリーズ全体としてはきちんとフォローされているのだけど、単品として見ると、という意味で)、100分という時間ではもったいないような気がした。
ただ、私はいつもだいたいバトーに感情移入して観てしまうのですが、彼の感情の変遷という側面ではとても見応えのある作品だったと思う。
バトーに感情移入っていうのは、一言でいうと、素子とタチコマが好きすぎるということになっちゃうんだけど。
あと今回はトグサのぐっとくる場面がたくさんあるので、そこも見どころだと思います。彼が一番かわったんだけど、かわってない。
ただ、シリーズ全体で描かれているはずの「流れ」を把握するには、ちょっと記憶が曖昧になってるので、冬休みでもう一回「2nd GIG」を見直して、その後もう一度見る。