新井英樹@マンガノゲンバ

新井英樹が出演するというのを「の残滓」さんのところで知り楽しみにしてたのですが、5/9て明日かと思っててあやうく見逃すところだった。ありがとう教えてくれた人。
というわけで、前半の榎本俊二さんの部分は見れなかったんですが、新井先生の部分はばっちり見ました。動いているところを初めてみたけど、まったく違和感なかったな。自画像似てる。

梶原一騎作品などの「群れない主人公」に惹かれたという話をきいて、宮本の袖(たぶん1巻)に書いてあった「クソ意地はる男が好きです」という台詞を思い出す。「自分の力を信じる」というキーワードは、ただそれだけを聞くときれいな話なんだけど、信じる/信じられる感触をリンの不遜さ、「凡百の天才と一緒にすんな」って言葉など、に繋げていくのが新井英樹ならではだなと思う。

「天才を語る時に、ただ天才であるということだけでなく人格やらを付加するのが気に食わない。天才というのは何かのバランスがおかしい存在だ」(記憶書きです)

と語っているのを聞いて、今まで読者としての思い込みでしかなかった「新井英樹の意図」みたいなものに、少し触れられたような気がした。それは、あこがれと、人格の肯定は別であるという考えかたに裏付けられた言葉なのだろうし、そうやって、ものごとを「混同しない」でいるというのは、力のいることなのだと思う。
あとね、やっぱ鉛筆書きの絵コンテ見て、感動した。
ボクサーにインタビューして描いたという「RIN」の場面がうつるのを見ていて、ああそうか、この人の漫画はやっぱり、カメラじゃなくてその場の見え方なんだなとか思う。そして、それは「漫画」だからこその表現だよな。