GIANT KILLING/漫画:ツジトモ 原作:綱本将也

GIANT KILLING(1) (モーニング KC)

GIANT KILLING(1) (モーニング KC)

おすすめされて昨年末から読み始め、先日既刊分を読み終えてしまいました。モーニングに連載中のサッカー漫画で、タイトルは「番狂わせの大物喰い」という意味だそうです。
これがものすごく面白くってね…!
個人的にスポーツ漫画ってそんなに好んで読むジャンルではないんだけど、ものすごく好きな作品もいくつかあって、これは1巻読んだ時点でその中のひとつになるだろーなと思いました。
例えば「スラムダンク」とかは、日常のやり取りも面白いけれどその華はなんといっても試合にある。スポーツ漫画の魅力ってやっぱりそこだと思うけど、それを、そのスポーツ自体にそれほど興味がない人すら引き込むように描けるかどうかっていうのが、スポーツ漫画ってジャンルのハードルなのかなと思います。
そして「ジャイアントキリング」の場合もとにかく試合が面白い。日常描写はほんと少ないんだけど、試合の合間に描かれることも、きちんと試合の中に生きてくるのが楽しい。選手ひとりひとりに役割がある「チーム」を応援したくなります。これは監督が主人公だからこそ描ける視点だよなーと思う。
それから、「ジャイアントキリング」のもうひとつのテーマのようなものが、サポーターの存在だと思うんですけど、「ETU」というチームをめぐるサポーターのやりとりもまた面白い。椿のダンマク張る場面の「なんか……スゲー選手になる気がするんだよ……あいつ」という台詞に込められた期待とかたまらないよな。
ずっと、スポーツ好きな人の、チームの勝利をわがことのように喜ぶっていうのに漠然としたあこがれがあったのですが、そのチームを好きになって、選手のことを知って、その期待がかなう嬉しさといったら、それはまんま「わがこと」なんだなと思ったりした。
だからこそ、9巻の「磨いて輝かないものなんてない」という台詞はもうぐっときてしまって、ああやっぱり私はコンプレックスを抱えた選手が「才能を凌駕する」場面に弱いなと思いました。
ほんと面白い漫画です。サッカー見に行きたくなった!
GIANT KILLING(9) (モーニング KC)

GIANT KILLING(9) (モーニング KC)