セロリ

先日、すごく楽しい夢を見た。バンド(やってるって設定)の練習帰りにお茶を飲んでるってだけの夢なんだけど、何かをほめたりするのって照れくさくていつもうまくできないのに、思う存分言いたいこと言えて、なんだかすごくすっきりした気持ちで目が覚めた。まあそれも「けいおん!」見ながら寝たからかなと思うのがあれですけど。もうちょっと、と思って二度寝しそうになってあぶなかった。

たぶん、思っていることを言葉にするのとしないのとでは、しないほうがずっと楽だ。何かを言ったりやったりするのは行き先のわからない乗り物に乗るようなもので、何もいわなければずっと同じ場所。それをつまらないと思うなら、何かするしかないんだけど、
学生の頃、思ってることすぐ顔に出るよねって友だちに言われたことがあって、それからずっと自分はわかりやすいんだと思い込んでた。でも先日、その子にそれを言ったら「わかりやすくたって言わなきゃわかるわけないじゃん」て言われてそりゃそうだと思った。それはつまり、やすやすとのってたまるか! みたいなのもあるけど夏大好き!とか言っちゃったりしたい、みたいな話。

そんなわけで、最近はとにかくセロリが大好きだということを伝えたいと思います。セロリね。子どもの頃はほんと嫌いでした。すじっぽいし、青臭いし。
そんなセロリを初めておいしいと思ったのは、以前通ってた下北の飲み屋でセロリ炒めを出してもらったとき。あ、セロリだって一瞬ためらったものの、そこの奥さんは私の好きなものいろいろ覚えててくれて、この人が作ってくれるものだったらきっとおいしいだろうと思った。そして思ったとおり、その一皿で、いままでのセロリのイメージがすっかり裏返ってしまったのだった。
それからは外食するときによくセロリの入ってるものを頼むようになったのだけど、もともと家でセロリが食卓にあがることはほとんどなかったので、自分でセロリを使うってことも、ごく少数のメニュー以外ではあまり思いつかなかった。
それが先日、友達に食べさせてもらったセロリと鶏肉とザーサイの和え物でスイッチが入り、近頃はスーパーに行くたびにセロリを買っているような気がします。鶏肉とザーサイだけじゃなくても、濃い目に味付けて焼いた肉とと薄切りにしたセロリ和えるだけですごくおいしい。あ、今日セロリあるんだった、って思うだけでちょっと嬉しい。
でも、こんな風にセロリを好きになるきっかけをくれたお店は、もう何年も前に、奥さんにお子さんができたのをきっかけになくなってしまった。
私はあそこでちゃんと、おいしかったですっていえたかなーと思うと、ちょっと自信がなくて、セロリを食べるたびに少し、残念な気持ちになる。でもきっと、あの人の子どもはセロリ大好きだろうなと思う。