「アメイジング・スパイダーマン」

(500)日のサマー」のマーク・ウェブによる新しいスパイダーマンシリーズ、とのことで、わりと楽しみに見に行ったのだけど、マーク・ウェブらしさ(といっても「(500)日のサマー」しか見たことないけど)というものはあまり感じられなかったように思う。
物語はスパイダーマンの誕生を描いたもので、サム・ライミ版とはヒロインの設定などが微妙に違うとはいえ、なんでこんなに短いスパンでリメイクなんだろう? という疑問も残りました。

スパイダーマン」と「アメイジングスパイダーマン」2作の雰囲気の違いは、サム・ライミ版の主人公を演じたトビー・マグワイアと、マーク・ウェブ版の主人公を演じたアンドリュー・ガーフィールドの雰囲気の違いとも共通しているように感じます。何というか、トビー・マグワイアには影があり、アンドリュー・ガーフィールドは陽の雰囲気だけど奥行きがあまりないというか、個人的にどちらが好みかと言えば、トビー・マグワイアだな…と思いました。とはいえ前作の1をあんまり覚えてないので比較はできません。

アメイジングスパイダーマン」で一番よかったなと思ったのは、伯父さんが亡くなる責任の一端が主人公にもあるということを示す一連の場面でした。
でも一番気になったのは、その描写があるのに、全然罪悪感が見えてこないことで、その場面の意味が浮いてしまっていること。さらに、悲しみにくれているか、もしくは復習に燃えているかのどちらかの状態である(という伏線が張られている)主人公が、すぐに「新しい力を手に入れてはしゃいでいる」ように見えてしまうことでした。
3D映画だからか(2Dでみました)3D用の見せ場なんだろうなというシーンでもたついたりもしていたので、脚本もそういったところに気をとられてしまったのかなと思いました。
とはいえ、スパイダーマンの空中浮遊シーンは楽しかったし、勇ましいヒロイン造形もなかなかよかった。楽しんでみれたんだけど、でも「この話知ってる…」、ってなってしまうとこもあったので、それならもうちょっと監督らしさ、と思える部分が見たかったです。