夏への扉

春も秋も冬も、それぞれいいところはあるのだけど、天気のよい夏の日にかなうものではない。ナルニアへの扉のように、家の中のどこかに夏への扉を見つけることができたら、いつでも好きな時に、夏を訪れることができたら、どんなにか素敵だろうと思う。
今日のように大雨にふられてしょんぼりした気持ちで帰宅しても、家に帰れば冷えたビールと夏への扉が待っている。虫の音を聞きながら夏の夜を散歩して、朝になったら泳ぎにいき、冷凍庫で氷を作り、そうめんを食べ、毎日夕焼けについての感想を述べる。暑くて寝苦しいとか文句をいいつつ、いつのまにか冬へ帰ることを忘れ、
もしも冬への扉があったら、ひんやりした空気の中で、あったかい飲み物とか飲んだりするのにな、なんて考えたりするのかもしれない。