「ききみみ図鑑」/宮田絋次

ききみみ図鑑 (ビームコミックス)

ききみみ図鑑 (ビームコミックス)

「音」をテーマにした短編集。表紙が気になって買いました。
で、この表紙の女の子が登場する『視える音』という短編は、音がそれこそ「視える」ことで音楽が嫌いになってしまった男の子のお話。むしろこのお話の続きで、この男の子がどんな演奏をするのかが視たかったナーと思った。あと「Genius Party BEYOND」*1の『GALA』(前田真宏監督)を思い出した。
『天使の声』というエレベーターに閉じ込められた男の人と、警備員室にいる女性との会話のお話は、ありそうな展開ではあるけど、ラストがよかった。
もっとも気に入ったのは、『秘密の言葉』。ある女子校で交わされる「ごきげんよう」という言葉についてのお話。クライマックスのコマが印象的でした。ただ、この短編集全体でみると、このお話だけ「音」と外れてしまっているような気もしました。

 「あたらしい朝」2巻/黒田硫黄

あたらしい朝(2)<完> (アフタヌーンKC)

あたらしい朝(2)<完> (アフタヌーンKC)

とうとう出ました第2巻で完結巻です。ドイツ軍へ入隊した主人公の箱根での日々が描かれるわけですが、主にパンを焼く練習をしたり、肉体労働をしたり、勘違いをしたりの日々で、これって実話なんだっけ?と思わず奥付とか確認してしまうような(違いましたが)予定調和のない展開なのがすごい。
物語としてはまとまっていないような気もするんですが、ともかく、黒田硫黄が描くと、画面全体が生き生きとして見えて楽しかったです。
トラックで山道を走るシーンの会話とか、この人にしか描けないテンポだよなあと思う。それからラストの見開きもぐっときた。
次回作が楽しみです。

 正月のご飯

正月前

正月前のスーパーはあきらかに非日常で楽しい。鶏肉が売り切れていたり、ぶちぬきみかんコーナーができていたり、年越し蕎麦コーナーも追い込みをかけつつ、いたるところに餅コーナーが設置されている。なんだか冬眠するみたいでわくわくする。

年越し蕎麦

年越し蕎麦というのは年を越しながら食べるのが正式なのかどうか、実はよく知らないのだけど、実家では大晦日の夕食に年越し蕎麦を食べる。蕎麦には海老の天ぷらがつくのだけど、むしろ雑煮用に煮てある鶏肉を乗せる方が人気だったりして、皆無言で乗せまくるのであっという間に売り切れる。
今年の年越し蕎麦では「おれダイエットしてるから小さいのでいいや」といった弟が小さなお椀で暖かいそばを食べた終えた後に、ざるでおかわりしていたのが印象的でした。「まあいいじゃん」て言ってた。

おせち

たぶんここ10年くらい、おせちはほとんど出来合いのものですませるようになって、それもほぼ元旦の朝食分でなくなる。そろえるのは伊達巻、田作り、黒豆、昆布巻、数の子、くりきんとん。作るのは、紅白なます、菜の花のおひたし、くわいの煮物、筑前煮くらいで、それになぜかイチゴがつく。人気がないのはいつも田作り。
今年は祖母の家でもおせちを食べたのだけど、そちらはきちんとお重に入れられており、しかし人数が多いせいかあっという間に空になった。
一番人気はだいたい数の子なのだけど、祖母の家で数の子なしの松前漬けと数の子が並んでいるのを見て、自分は松前漬けの方が好きなんだなということに気付いたりもした。

お雑煮

正月といえばお雑煮。大好きなのに毎年正月にしか食べないのでなんだか特別なのかもしれません。
実家の雑煮は、もちの入った鶏がらスープに、鶏の煮物と茹でたほうれん草と鰹節を乗せる。この鶏がらスープと鶏の煮物と筑前煮をつくるのが大晦日の恒例なのですが、よく考えたら鶏肉ばっかりなんだな。
三が日は外出しても帰宅するたびに「雑煮まだある?」って聞いてる気がします。でも今年は2日目にしてなくなっていたので完全に食べたりない。でも正月以外に作って食べようって気になったこともない、不思議な料理です。たぶん、正月料理は正月しか食べないから好きで、だから正月が特別に感じるっていうのも、あるんだろうな。
全国各地の雑煮まとめとか読むのも楽しい。

あこがれ

一度やってみたいのが、鏡餅をよく干して砕いて、おかきを作る作業です。なぜならおかきが好きだからなのですが、そもそも実家には鏡餅を買うという習慣がないため、まだやったことがありません。いつかやりたい。


なんでこんなことを今頃書いているのかというと、今年は完全に正月気分に乗り遅れた気がしてて、それはあきらかに雑煮を満足いくまで食べれなかったからだと思うんですということです。あまった菜花はもう開いちゃったのでいけた。