「SUPERFLAT MONOGRAM」/細田守さんについて

ichinics2006-07-15
私が初めてLOUIS VUITTONの店に足を踏み入れたのは、その店舗で上映されていた映像をもっとよく見たいと思ったからだった ―― って書くとなんだか語弊があるけども、とにかくその映像には、それまでまったく興味のなかった/というか縁もなかったヴィトンのお店の、中にまで入らせてしまう引力があった。
その映像は村上隆さんのキャラクターを使ったアニメーション映像で、5分程度の短いものだったように思う。携帯電話を持った女の子が、LOUIS VUITTONのお店の前でパンダに飲み込まれて、不思議の国のアリスみたいに冒険する物語。色の強い色彩で描かれる「不思議の国」と、「現実」の淡い色彩が印象的だった。女の子のキャラクターもかわいくて、でも作り込まれてないさり気なさがあって、これはほんとすごいアニメだ、と感激した私は、お店の中にいるお客さんたちに怪訝な顔をされながらも、繰り返し、それを見たんだった。お客さんたちはみんなアニメには興味がなさそうで、これをここで流すなんて、もったいないなぁ、と思ったのを覚えている。
映像の最後の場面は、窓の外に見える表参道で、こことそこが交差するみたいな、ちょっとこそばゆい感じにわくわくしながら、私は「村上隆ってすげーなぁー」と思っていた。
そう、私はつい最近まで、あのアニメーション映像を監督したのは村上隆だと思ってたんだった!
そんなわけないじゃん、疑おうよ自分、と思うけど、うん、なんかあの頃はアンテナ折れてた。なので、「土曜日の実験室」を読んで一番びっくりしたのはこの部分だったんだ。

細田守がヴィトンのプロモ映像という特殊な場でしか作品を作れない状況はかなり不幸です。誰よりアニメファンにとって不幸。
『土曜日の実験室』/p119

なんだってー! と思って検索。まじだ。そしてこれは丁度ハウルの監督交代直後のことだったんですね…。(と、ジブリをイメージすると、「ポータブル空港」はこの作品のタッチとかぶるなぁ)
しかし今日はいよいよ「時をかける少女」が公開され、絵コンテ集も発売となる(これはもう書店に並んでたけど)。ファンにとってはとても嬉しい展開だと思います。この勢いで、「SUPERFLAT MONOGRAM」もDVD化されないかなぁ。ちなみに「SUPERFLAT MONOGRAM」のキャラデザは「デジモンアドベンチャー」劇場版の第1、2作で細田監督と組んだ中鶴勝梓さん。音楽はFPMの田中知之さんでした。なんてこった。
細田守さんのお仕事については、コチラが詳しいです(http://www.blueridge.gr.jp/~seeba/hobby/mhosoda.html

ところで以前書いた(id:ichinics:20060629:p1)「時をかける少女」の試写会、どうせ見にいくし、と思って結局応募しなかったのですが、行った人の日記を薄目で見ていると(見てからちゃんと読むつもり)なんだか大絶賛のようで、いよいよ期待が高まります。