ブレイブストーリー

面白かった! RPGゲームのような「ルールのわかりやすさ」と、丁寧なアニメーションと、宮部みゆきらしいメッセージとがバランスよく配分された豪華な作品でした。原作は未読なのですが、あの分量をこのサイズの脚本にまとめあげ、しかもテンポよくみせてくのはすごい。
今年の夏休みアニメーション映画3作品「ゲド戦記」「ブレイブストーリー」「時をかける少女」(見たのだけですが)の中で、最も(従来の)ジブリ的なスタンスにある作品だったと思います。つまり子供と大人が一緒に行って安心して楽しめる安定した作品。(個人的に一番良かったのは「時をかける少女」だけど)
特に「ブレイブストーリー」と「ゲド戦記」は題材とテーマがかなり被っているので、どうしても比較して見てしまったのだけど、これはもう、圧倒的に「ブレイブストーリー」の方がエンターテイメントだった。笑えて、泣けて、わかりやすい。若干伏線に疑問もあったけど(ミツルが最初に魔法を使う場面など)、それはまあストーリー展開を優先してのことだと思うし、個人的にはあまり気にならなかった。それよりも、主人公の親の離婚や、友人の家庭環境など、重いテーマをあつかいながらも、終盤での解決の仕方がとても丁寧に描写されているところに好感を持ちました。
CGが得意なGONZOらしく、それが過剰な場面と生きている場面が目立つのだけど、珍しく(?)キャラクターをマットに描いているので、万人受けしそうだし。途中挿入歌を流しながら旅の道中をあらすじ的に描く場面とかも気になったけど、「ドラえもん」映画でもよく使われる手法で、やっぱりはっきりと「子供向け」大作なんだろう。
GONZOファンにはどうかなーと思いますが、アニメーション映画大作としては良作。声優も、常磐貴子さん以外は(すみません)良かった。