岩盤浴にて思うカタルシスと自己満足の不思議

隣の駅に新しくできた岩盤浴に行く。
ただ汗を流すために寝ている、ってちょっと不思議な気分なんだけど、最初の砂時計(時間を計って休憩をとるためのもの)が落ちきる頃には、すっかり気分より汗を流す気持ち良さになじんでいる。そしてこの、体がゆるんでくような感覚が「カタルシス」という言葉の意味するところの下敷きにある気持ち良さなんだろうな、とか感じ、よくできてる言葉だ、と思う。

カタルシス 【(ギリシヤ) katharsis】
アリストテレスが「詩学」で展開した説。浄化・排泄の意〕
(1)悲劇を見ることによって日頃鬱積(うつせき)している情緒を解放し,精神を浄化すること。
(2)精神分析で,抑圧された感情や体験を言葉や行動として外部に表出して,心の緊張を解消すること。
三省堂提供「デイリー 新語辞典」より

感情は、頭に浮かぶ思いのような気がするけど、実は肉体の反応であって、だからこそ制御しづらく、しかしトレーニングされることもあるんだ、とかぼんやり考える。五分おきに裏返されながら。水飲んで汗かく自分の体は、まるで他人みたいだ。

90分じっくり堪能した後は、近くのカフェでごはん。
更衣室で見た、友達が着てたレースのキャミソールがかわいくて、それはもちろん服着てると見えないんだけど、身につけるものって結局自己満足だよねぇ、ということで盛り上がる。糸の色、小さな刺繍、レースの縁取り、ボタンの形、裏地の柄、そういうちょっとしたことで幸せな気分になれる基準てきっと人ぞれぞれすぎて面白い。