- 作者: 志村貴子
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2007/12/25
- メディア: コミック
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冒頭、ニキビに悩むにとりくん、と、リボンをつけたくないたかつきくんのどちらに感情移入してしまうか、といえばわたしはやっぱりたかつきくんで、でもそれはたかつきくんが男の子になりたいから、というよりは、当然のように女の子であることを求められる、ということに戸惑っているように見えるからなのだと思う。
おとこのこになりたいの? と問う千葉さんに、たかつきくんは「うん」と答える。だから髪を切ったのか、そうだ、という応答があった後に「私は 前の方がかっこよくて すきよ」と千葉さんは言う。
たぶん、だけど、きっと、たかつきくんは、こうありたいと思い描く自分と、自分の行動とのギャップに迷っていて、千葉さんのいう「前」はその矛盾に気付く前だったんじゃないかな、とか思う。
まだ名前のつけられていない「迷い」が、迷いのまま描かれていることに、なんだか胸がぎゅーとなる気分で読み終えました。
p132の、左上のコマの千葉さんの顔、というか髪の毛の感じとかがとてもすき。