群青学舎 3巻/入江亜季

群青学舎 三巻 (BEAM COMIX)

群青学舎 三巻 (BEAM COMIX)

入江亜季さんの短編シリーズ第3巻。このシリーズのように、複数のお話がそれぞれに続く短編で巻を重ねるってめずらしいような気がするんだけど、これだけバラバラの題材を描きながら、どのお話にもしっかりと世界があるのが、確か最初に「群青学舎」を読んだ時にも書いた気がするけど、本が好きな女の子の、本棚のようだなと思う。ずらりと並んだ本の、ひとつひとつに開かれるお話があって、それがこれからもっと読めるのかもしれないって思うとぐっとくる。
今回前後編で収録されている「薄明」が図書室を舞台にしているということもあって、だからよけいにそう思うのかもしれない。かなしいお話だと思いながら、我慢しながら泣く、主人公の顔がとてもきれいだと思った。今回一番好きなお話。