「ラブリーボーン」

監督:ピーター・ジャクソン

そもそも扱うのが難しいテーマの作品だと思うのですが、意外なほどためらいなく描かれているなというのが第一印象です。
主人公の女の子が殺されてしまうところから始まるお話で、残された家族が彼女を殺した犯人を突き止めるというミステリーパートと、「あの世とこの世の間」のようなところに留まる主人公の心象風景のようなパートが交互に描かれるんですが、正直なところ、私はそのどちらにも入り込めませんでした。
たぶん監督の狙いは、見たことのない世界を描きたいというところにあるのだと思います。でも、その監督のこだわりと家族の物語の間にある温度差が、自分はどうしても気になってしまった。
半月ほど前に見てから、ずっともやもやしてたんだけど、結局自分の好みの問題というか、むいてなかったなという感じです。
以下ネタばれ。

  • 主人公とカメラという印象的な組み合わせが物語にあまり生かされてないのがもったいない。
  • ラスト、同じ殺人犯に殺された少女達が集結するシーンがあるんだけど、なぜ集うのかがよくわからない。彼女たちにとってそれは良い「つながり」ではないはずだよな…。ってことは私たちの力をあわせてあいつを!て展開なのかと思ったらそうならなくってあれって思った。
  • 最後の最後に主人公が、犯人が証拠隠滅しようとしている横で、恋敵(?)に乗り移ったりするのが、え、今それなの!? と思った。
  • 1番良かったのは妹が犯人に感づいて、証拠を探しに住居侵入するところ。でも、クライマックスはここっていうのもピントがずれているような。
  • 犯人の末路は、まあそうなりますよねという感じなのだけど、もしかして笑わせるつもりなんだろーかとか一瞬思ってしまった。