とても好きなお話でした。祖母の家に療養に来た男の子が、小さい人に出会うお話。
これまでのジブリ作品とはわりと印象の異なる、とてもこぢんまりとした物語なので、物足りない人もいるだろうとは思う。でも、幼いころに佐藤さとるさんの物語が好きだった人や、小さい人の世界ってどんなだろう、って考えたことのある人なら、きっと見たかった! って思うような映画だと思いました。それから、幼い頃に、基地を作った時の気分を思い出したりもした。
まち針の剣とか、しその花の匂いとか、お茶を注ぐときの水滴の感じ、人間の足音、雨の音。だんご虫丸い! とか、カーテン登ってみたい! とか、草むらが森になるその視線にわくわくした。そして「借り」に行くお父さんのかっこよさや、アリエッティが洗濯物干してるシーンにもぐっときた。
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それと同時に、男の子と女の子が出会うお話としてもとてもいいなと思った。世界としてはアリエッティの世界を描いたお話だけど、物語としては、人間の翔の物語だと思う。これまでのジブリ作品で言えば、「耳をすませば」で雫(翔)がバロン(アリエッティ)に出会うようなお話。
翔の視点から描かれるシーンは少ないものの、彼にとってアリエッティが忘れられない存在になったであろう、庭でのやりとりは短いながらもとてもよかった。あれはやっぱり、翔の声をやった神木君*1のよさが大きいと思う。小さい人の生活をもっと見たくて、これがテレビシリーズで見れたらなーとも思ったけど、翔の物語としてはこの映画できちんとまとまっているのだと感じました。
というか、個人的にはこの翔がとにかくよくて、なんていうか、初恋の男の子ってこんな感じだよなーって思ったりした。
また映画館行くと思います。楽しかった!
*1:もう君でもないのかな