向こう側のお話

楽しみに読ませていただいている「傘をひらいて、空を」を書かれている kasawo さんに、2つの日記をネタにしていただきました。こういう形で日記を使っていただくのはめったにない経験で、ちょっと照れくさいような、誇らしいような気分でいます。
エントリはどちらもとても楽しく読ませていただきました。ありがとうございます!

傘をひらいて、空を/彼の二週間
傘をひらいて、空を/千まで数える

各エントリの最下段に私の日記へもリンクしていただいていますが、なんでこの日記からそんな想像ができるんだろうって驚いてしまいます。すごい!

ところで、今回使っていただいた日記は自分にとってはふたつとも、ほぼ本当の出来事です。なので、頭の中にはきちんとそのときの状景があるわけです。
自分の記憶とどこか重なる出来事が、自分の中にない言葉で語られるということは、たとえば同じライブを見たとか、同じ食卓を囲んだ、などという場合にはありえても、今回の「ユリちゃん」の話のように、個人的な景色の場合はほぼあり得ないことです。
だからこそ、今回読ませていただいた文章は、私にとってはどこかにある平行世界のお話みたいにも感じられました。
kasawo さんの書かれたエントリのように、もし誰かに「100数えたらいいよ」と言われることがあったとしたら、きっと私も逃げたくなったと思う。私はいまだにそれがちょっとこわい。
それと同時に、確かに私はもう1000よりずっとたくさんの数を数えることができる。むしろ、飽きるまで数を数えていたいと思うことだってあるし、そういった瞬間を何度も繰り返してきたはずで、
今更なにびびってんの、と、ユリちゃんと自分の家をつないでいた生垣越しに、誰かに笑われているような気がした。その声を聞けて、なんだか嬉しく思いました。

ほんとうに、とても贅沢な体験をさせていただいた気がします。ありがとうございました。