- 作者: 池辺葵
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/07/13
- メディア: コミック
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小さな食堂を舞台にしたお話で、一見変わり者に見える主人公を、観察する語り手によって描くという物語の作り方は「繕い裁つ人」にとてもよく似ていて、じっさいちょっと繋がっている。
さばさばした主人公の物言いは読んでいて気持ちがよくて、「嫌なやつ」ではないんだけど「いいひと」にもなってしまわない絶妙なさじかげんだなーとおもいました。
それからこのひとの漫画は登場人物の目を塗りつぶして描いていることが多くて、無表情に見えることも多いんだけど、彼らの考えてることが一見わからない、ってことが、たんたんとしたお話にメリハリをつけているようにも感じました。読んでいて気持ちのいい漫画です。
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余談ですが、この「サウダーデ」と「繕い裁つ人」はどちらもカバーのデザインが似ていて、だから発売を知らなかったわたしも本屋さんで手にとることができた気がします。まだそれほど有名ではないけれども、この作者の雰囲気が好きな人はきっと新刊を買うだろう、っていうときにデザインまわりが目印になるっていいなあってことを改めて考えたりもしました。