ビューティフルピープル・パーフェクトワールド 2 (IKKI COMIX)
- 作者: 坂井恵理
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/02/29
- メディア: コミック
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1巻の感想には
個人のコンプレックスの克服というよりは、自己肯定感を獲得する過程としてそれが使われているように感じるお話が多かった。
http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20101212/p1
と書いたのだけど、この2巻の第1話はまさしく「キレイなだけじゃだめなの」と自覚しつつ、「だからせめて、キレイにならないとダメなの」と、はっきり自己肯定感を獲得するために整形を選ぶ主人公が描かれていて、とても興味深かったです。それから、読んでいる側もまた、容姿による無意識の先入観があることを突きつけるような場面があったりするのはとてもぐっとくる。もっとやって欲しい。
でも読み終えてみると、やっぱり、このテーマでまだまだ掘り下げられる部分はあるような気もしてしまった。
例えば、整形を選ばずに老人になった人物が、偶然再会した元妻に「そのままの自分を愛してくれっていうわけ?」と問われる場面がある。この老人は、そう指摘されて初めて自分の傲慢さを恥じ、顔を隠す。それは容姿だけでなく「そのままの自分」を初めて振り返ったということでもあると思う。
だけど、「ありのままの自分」を認めて欲しいという欲求って「整形をしている方が大多数」である世界でも普通にあるはずだよなとも思うんですよね。そもそも、容姿がキレイに平均化することで、彼らは何を「個性」として捉えているのかな? とか、そのあたりが気になりました。
他にも、整形だけじゃカバーできない身体的な衰えや寿命についてもっと触れて欲しかったりとか、この舞台設定で読みたい話がまだまだあるので、できれば今後も続けばいいのになーと思っています。特に1話の続きは読みたい。