ひとりで余生を過ごそうとブルックリンに越してきた主人公、ネイサンと彼が偶然に再会した甥のトム、そして彼らを取り巻く人々の物語。
登場人物の過去と現在の“愚行”を散りばめながら、ネイサンの目を通した日々が細かに語られていく様子は、インターネットで誰かの日記を読んでぐっときたりすることに似てる気がした。誰かとすごす時間、ひとりでいる時間、街の中には同時に様々な時間があって、それはその瞬間だけでなくこの物語のように紆余曲折あってたどり着いた今なのだということを思う。そして私の今も。
ネイサンがたどり着いたインスピレーションを結ぶ一言
本の力をあなどってはならない。
この言葉に涙ぐみながら捲った、次のページには思わず息をのんでしまった。
- 作者: ポールオースター,Paul Auster,柴田元幸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/05
- メディア: ハードカバー
- 購入: 1人 クリック: 38回
- この商品を含むブログ (27件) を見る