WERQ THE WORLD に行ってきました

ル・ポールのドラァグレース(RPDR)出場クィーンたちによるワールドツアー「WERQ THE WORLD」に行ってきました。
RPDRにはまってからというもの、WTWをはじめとするRPDR関連イベントや、クィーンたちのステージをインスタグラムなどでみるたび、いつかアメリカ(やそのほかの開催国)に行って、生でクィーンを見たい…と思いを募らせていました。
なので、昨年WERQ THE WORLDの《アジアツアー》が行われるというニュースが飛び込んできたときは夢のようでした。しかもその中に日本も入っているなんて…!

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それから数か月、クィーンたちの来日を楽しみにしてきたのですが…………、
諸々の騒ぎで、ここひと月ほどは「本当に開催されるのかな」「きて欲しいけど、クィーンの健康第一だからな…」みたいな葛藤があり(きっと多くの参加者がそうだったと思います)、そのようなヨボヨボした気持ちで当日を迎えることになってしまいました。
でもそんな気分はあっという間に吹き飛んだ。

暗転して、音楽が鳴り響き、クィーンたちが姿を表した瞬間「ここが現場なんだ」と思った。
ずっとPC画面やスマホの画面の向こうにあった、眩く発光するクィーンたちの世界が、目の前にあった。
プラスティークは絶世の美女だったし、目玉焼き柄のドレスを着たキム・チーはポップ&キュートだし、大好きなデトックスのヒップラインは会場後方から見てもスタニングだったし、アクアリアがドラァグ版「碇シンジ」リアルネスで登場したときは会場がどよめいたし、ヴァイオレット・チャチキは人類の至宝だった。
いきなり最高の洪水を浴びて頭がスポンジみたいに穴だらけになっていたところに、MCのモネが登場。全開の笑顔で「東京盛り上がってるねぇ!」と嬉しいことを言ってくれて、頭の中がパンケーキの蜂蜜漬けみたいになる。聞き取りやすい英語で、アクアのうちわをもっていたお客さんに「モネうちわはないわけ?」なんていじりをいれたりしながら、会場の「いいのかな?」気分をあっっという間に払拭してくれた。
モネが様々なセクシュアリティに呼びかけ、ここがセーフスペースであることを伝える場面では、ふと自分のセクシュアリティについて振り返って考えたりもした。そういうことを、ここにいるみんなが考えているんだろうなと思える場に居られることが、なんだかとても嬉しかった。

そして、そこからの怒涛のパフォーマンスは一瞬ごとに圧倒されてしまって、久しぶりに「叫びすぎて喉が痛い」状態になったのですが、忘れないうちに以下、感想メモを書いておきたいと思います。

プラスティーク・ティアラ/Plastique Tiara

S11出場クィーンかつ、私の推しであるアリッサのドラァグドーター。
まるで武侠小説のヒロインのような、美しくたおやかで、なおかつ力強いパフォーマンスが素敵でした。あと、音楽はドラァグマザーであるアリッサVSココ・モントリースの名勝負でも使われた「cold hearted」が使われていてグッとくる。あとマドンナの「Frozen」。この曲大好きだし、ファンタジックなプラスティークのパフォーマンスにとても合ってた。
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キム・チー/Kim Chi

S8出場クィーンであるキム・チーについては、WERQドキュメンタリーも見ていたのでどんなパフォーマンスをするのか楽しみにしていました。そしたら冒頭の目玉焼きが前フリだったのかな? まるでテレタビーズのようなシュールな教育テレビテンションで、チキンラーメンパッケージみたいなひよこが舞い踊るという、中毒性のあるパフォーマンスでした。途中で小麦粉の入った卵を割る演出があるんですけど、小麦粉はキム・チー自身が日本のセブンで買ったそうです。かわいいかよ。

デトックス/Detox

私は特にS5とAS2を熱烈に推しているので、デトックスのことはもともと大大大好きなんですけど、今回のパフォーマンスは特に、AS2のタレントショーを彷彿とさせるような、デトックス得意のネオンカラーパフォーマンスでほんと最高でした。とにかくボディラインが最高で見とれてしまう。気づけばデト様のヒップラインを見ていた。

モネ・エクスチェンジ/Monét X Change

15分休憩後、「次は誰だろうね」なんて言いながら見ていたら、ピンクのバーレスク風羽扇子の中からモネが登場…!ミュージカル「pipin」の曲を使ったパフォーマンスで、面白くて可愛いパフォーマンスをするのがめちゃくちゃモネだった。帽子の中を覗き込んでそこから取り出したものは〜中指を立てる!みたいな流れね、TLでうまい写真をあげていた方がいたけど、ほんとあの心意気で生きていきたい。最後のボディスーツがめちゃくちゃキラキラしていて、後ろに立ってたひとが「めちゃくちゃキラキラするな」って言ってて、ほんとにねー、と思いながら聞いていた。
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アクアリア/Aquaria

そしてS10出場のアクア…! アクアがすごいのは知ってたつもりだったけど、今回のパフォーマンスで私は全然アクアを知らなかったことがわかった。アクアは本当にすごい。あの小さな*1体でパワフルにステージを飛び跳ね、絶妙なタイミングの衣装替えに観客は悲鳴をあげるし、最後は空中ブランコでくるくる回る。えっ、ちょっとそんなに回る??? と思うくらい回っていてすごいパワーがある。
冒頭のシンジくんからラストに至るまで、圧倒的に次世代センターのアイドル感があり、まるで流れ星みたいだなと思いました。
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ヴァイオレット・チャチキ/Violet Chachki

S7登場時から一貫して唯一無二の存在でありつづけるヴァイオレット・チャチキですが、あれから5年が経ってすっかり貫禄がついたチャチキの現在のパフォーマンス、ほんとちょっと異次元でした。
ロケット(かな…と思ったけどおそらくペニス)型の空中ブランコでのパフォーマンスは妖艶な万華鏡のようでチャチキの世界の一端を覗かせてもらったような気持ちになった。
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個人パフォーマンスが終わった後、再び全員集合のパフォーマンスになだれ込んだのですが、ここまでくるともう多幸感が溢れすぎて倒れそうでした。
この東京公演がツアーファイナルだったこともあり、いくつかの衣装を惜しげも無く客席に投げ入れていくクィーンたちの軽やかさ。この舞台をステージ上のクィーンたちも楽しんでいるように見えたのも嬉しかった。
包容力のあるMCモネ、一挙手一投足が色っぽい長女的なデトックス
ブラックジョークの切れ味もさすがなキム・チー(めちゃくちゃ笑った)。
クールなチャチキの「群れないけどたまにはいいわね」感(あくまでも印象)。
そしてプラスティークとアクアのキキララのようなキラキラアイドル感…。
全員のこともちろん大好きだったけど、これまで以上に大好きになってしまった一夜でした。

見る前は申し訳なさがちょっとあったけれど、そんなのあっという間に吹き飛ばしてくれる多幸感のあるステージ*2を本当にありがとうという気持ちです。
いつかまた落ち着いた時に来て欲しいし、私も彼らの国へ見に行きたいと思った。
ありがとうWERQ THE WORLD、ありがとうル・ポールのドラァグレース…!
数日たった今も夢を見ていたみたいです。

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*1:今回のクィーン比

*2:もちろん対策は諸々しています