2019年に見た映画ベスト10!


12月の序盤に、昨年に引き続き友人2人と「今年の映画ベスト10」を発表しあう会をやりました。昨年と比較すると3人の間で共通して挙がった作品が多くありつつ、私が見ていない/これから見たい映画もたくさん教えてもらえてとても楽しい会でした。
そして12月も終盤となったので、その時のベストと入れ替わった作品が1作ある状態での今年のベストをまとめたいと思います。(でもそれも明日には入れ替わっているかもしれない…)

10位「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」

4時間近くあるドキュメンタリーなので、映画館でなければ一気に見るのは厳しかったかもしれない。でも、今年はアメリカのコンテンツにはまったりしたことでアメリカの「地域性」みたいなことに興味が出ていたので、この映画はNYの中の地域性みたいなものを理解するためのよい補助線になった。「リズム+フロー」でもチャンスザラッパーが、シカゴの公共図書館で音楽づくりを学んだ…と話しており、ああこれは「NY~」で見たあれだなと思ったりした。こういう、興味のある「地域」を知ることができるドキュメンタリーをもっとみたいな。

9位「映画 刀剣乱舞

実写映画と2.5次元舞台をとてもうまく繋いだ作品であるとともに、「本能寺の変」の解釈としても新鮮で満足度が高い作品でした。3回見たけど毎回面白かった。
あと、「2.5次元」を説明するときに、原作を読んでいない状態で舞台をいきなり見せても、楽しみが伝わりきらない気がする…と思っていたところに、単体で説明しきれている、しかも手に取りやすい作品がでてきたというところも大きかったように思います。海外の文通相手に2.5次元を説明する際にぜひこれを見てくれと「映画 刀剣乱舞」を挙げたけど英語版はまだ出てないっぽくて残念…。

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8位「バーニング」

村上春樹の映像化作品はいくつか見たけれど、この韓国を舞台に描かれた「納屋を焼く」であるところの「バーニング」が最も、私の好きな村上春樹の雰囲気に近いところがあるように感じた。彼女の部屋の雰囲気や、姿の見えない猫、納屋の表現、会話のテンポなど、静謐であるのにどこか宙に浮いたような居心地の悪さを残しているような感じがとても80年代の村上春樹だな、と思った。極め付けにダムが出てきたのが最高でした。村上春樹といえばやはりダムだよね…。

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7位「HiGH&LOW THE WORST」

ハイローシリーズはほぼ全部映画館で見てきた程度には好きなつもりでしたが、それでもまだドラマは見切れずにいた自分がザワを見た後その足でHuluに入り直しエピソード0とドラマ版全部完走するくらいには勢いよく最高でした。もともと鬼邪高が好きで轟推しなので、村山さんの卒業がほのめかされていたりしたのには不安がありましたが、そこに現れた新主人公のキャラ設定、大正解すぎて改めて鬼邪高校が好きになりました。通いたくはないけれども。あと余白の残し方もうまくて、色々捗る。

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6位「よこがお」

とても印象に残っていて、今後も折に触れて思い出すだろうなと思う作品。狂うことなくどこまでも真面目に、ある意味誠実に復讐を成し遂げようとする女性の物語。ある意味瞬間的にでも狂えてしまった側の人ばかりが解放されているように見える様は理不尽にも思えるのだけど、主人公の佇まいは「かわいそう」とも違っていて、今も時折彼女のことを考える。
深田晃司監督の作品はこれで初めて見て、見終えたあとに「淵に立つ」を見た。これもよかった。まだ見れてないものも多いけれど今後の作品は追いかけていきたい。

5位「工作 黒金星と呼ばれた男」

今年は過去作含め、ファン・ジョンミンが出ている映画を3作(コクソン、アシュラ、そしてこれ)見たのだけど、どれも全然違う人に見えるのがすごい。
工作は実話を基にした潜入捜査ものなのだけど「北朝鮮」が主題にある映画を初めて見たことの新鮮さも相まってとても印象に残った。そして、決して同じ道を歩けはしない2人の男の運命の出会いの物語でもあって、このラストシーンのこと一生忘れないだろうなと思います。ラストシーンが印象的な映画はよい映画。

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4位「マリッジストーリー」

「ブルー・バレンタイン」と比較されているのを見たりして、わりとしんどい気持ちになる映画なのかなと構えてみたのですが、もちろん辛いことはあるのだけれど、見ている間なぜかとても穏やかというか、ああ、家族ってこんな感じだよな、だめになっても良い時はちゃんとあるんだ…と思ったりする映画でした。
アダムドライバーもスカーレットヨハンソンもとても好きになってしまう映画だった。
「ブルー・バレンタイン」は引き返せる要素がなにもないことが辛い映画だったけれど、「マリッジ・ストーリー」の場合は、引き返せるタイミングをいくつも拾い上げたくなるところが辛いように思う。でもみんな幸せになってくれ、と思いながら見終えました。とてもよかった。

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3位「スパイダーバース」

複数次元の「スパイダーマン」が一堂に会して事件を解決する…という物語で、その描き方やキャラクター造形の多様さなどがとても印象的な気持ちの良い作品だった。
今年は自分にとってMCU元年のような年でもあったけど、このスパイダーバースを見たのが「MCU」という言葉を理解した(MCUとスパイダーバースは別ユニバースなんだと説明されてやっとぴんときた)きっかけでもありました。

2位「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

「殺された女優」になってしまった彼女のイメージを、輝いていた女優として上書きしなおしたい(かなり意訳)ということをタランティーノが語っていたのを聞いてとてもぐっときた。事件やスキャンダルに巻き込まれてしまったことにより、その人のそれまでの活躍のことを知らないような人もその事件でラベリングして語られてしまうというのはとてもよくあることだ。そしてそれは覆すのがとても難しいことで、でもタランティーノはこういう方法でそれをやってのけたのか、というところがね、ほんと良いと思いました。

1位「アベンジャーズ/エンドゲーム」(アベンジャーズシリーズ)

アベンジャーズシリーズには完全に乗り遅れていたのですが、今年になって、アベンジャーズ終わるらしいという話を聞き、じゃあその公開までに全作品みるか〜、とアイアンマンから見はじめたらまんまとはまったというのが今年の4月〜5月、つまり平成の終わりの出来事でした。めちゃくちゃ面白かったです。これをね、せめて3年かけて追いたかったとか、そういう気持ちももちろんありますし、スティーブ&バッキー推しとしては、エンドゲームは本当に辛くて3回みて3回とも嗚咽が漏れましたしそれだけでなく、嘘だといってくれ、と思うところがないわけではないけども、そういった感情の揺さぶられ方をするようになったきっかけは明らかにエンドゲーム(の公開にあわせた履修)なので、今年の1位はエンドゲームです。「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」楽しみです。でも(以下略)

アベンジャーズ/エンドゲーム(字幕版)

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今年のベストはこのような感じになりました。
これをみた後に「パラサイト」の先行上映もみたのですが、これは来年公開ということなので来年組に入れたいと思います。

ちなみに2010年代も終わるということで、Twitterに書いた2010年代のベスト10はこんな感じでした。