第10回公演「雀」/ラーメンズ

懲りずにまったり感想文。時節柄を無視してて申し訳ないです。

雀 [VHS]
2001年12月~2002年1月にかけて行われた、ラーメンズの第10回定期公演
【収録作品】
お時間様
音遊
プレオープン
許して下さい
人類創世
ネイノーさん
男女の気持ち

漢字三部作最後の一本。「椿」「鯨」「雀」と通してみる前に、タイトルの関連性から内容的にもなにか通じるものかあるのかな、と思いながら見ていたのですが、見終わってみると全く印象の違う3作品でした。共通するのは明るい色のスーツと、二人が確実に舞台に慣れ、自由になっているという感触でしょうか。
そしてなんとなく、この3本がラーメンズにとっての過渡期だったのかなという印象を受けました。
「雀」は今までの作品から比べると驚くほどテンションの高い作品。そして普段キャラクターを演じることの多い片桐さんが傍観者を演じ、小林さんがキャラクターを演じる作品が多いと言う点で異色作かもしれません。いつもは「頭脳派」という印象が強いですが、今回はあまり頭を使わずに瞬間瞬間で笑わせるコントが多かったように思います。
なかでも小林さん演じる「ネイノーさん」は『FLAT』にて片桐さんが演じたドーデスのキャラに近いものを感じました。また、「音遊」のような等身大のキャラクターも見ていて楽しい。これは「零の箱式」に入っていた「小さな会社」にも近い感じ。
パラレル同窓会 (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)


ところで、「人類創世」を見て思いだしたのですが、星新一さんもだけど、この藤子不二雄FのSF短編集とラーメンズのコントとの間には、なんとなく近いところがあるように思います。『椿』の「時間電話」や『News』「私の声が聞こえますか」(正式タイトル不明)などの状況描写が好きな人はこのSF短編集も好きかもしれない。