「good day house」/asin:B0007V77YO

ichinics2005-04-01

2002年8月・東京天王洲アートスフィア、9月・大阪シアタードラマシティにて上演された、ラーメンズ小林賢太郎プロデュース公演処女作。
“good day house”というビルを舞台に各階の住人たちの人間模様が描かれる。
【作・演出・出演】小林賢太郎
【出演】片桐仁小松和重(サモ・アリナンズ)/平田敦子/犬飼若浩/西田征史(鼻ギター)/室岡悟/森谷ふみ

ビデオにて鑑賞。小林賢太郎さんのプロデュース公演を見るのはこれがはじめてです。
「零の箱式」を見た時に、”2人以上”で繰り広げられる舞台を初めて見てとても新鮮だったのですが、この作品で、初めてラーメンズが舞台上に居ない瞬間のある「小林賢太郎ワールド」を見ることができました。
構成としては「CLASSIC」に近く、1つのビルの中の各フロアを舞台として、片桐さん演じるカタクリ工務店の内装屋さんが物語を繋いで行く感じ。いつの間にか物語がつながり、全体を包括する、という過程はまさに小林賢太郎節だ、という感動がありました。しみじみ上手い。個人的にはサモ・アリナンズの小松さんが出演されている2階とラーメンズの2人で演じる3階の話が面白かったです。
特に3階の物語のラストには驚かされた。思わずテレビ画面にむかって「すげぇー」と叫んでしまったくらい。
ただ、ちょっと各役者の演義の温度差のようなものに気をとられてしまったのが残念。特に最初がついていけなかった。初見の役者さんも多かったせいか、その演義に慣れた頃に次のお話に行ってしまうような。だから舞台上に片桐さんがいるととても安心できた。
例えば、複数人数のいる(ラーメンズ単独公演以外の)舞台という意味では「ライブ君の席」がとても面白くてお話としても笑いとしても贅沢に楽しませてもらった! お腹いっぱい! という感じがあったのですが、この「good day house」では物語と笑いのどちらに焦点をあてて見ればいいのか少しためらってしまった感じ。しかし、最後まで見てしまえば「楽しかった!」と言える作品でした。
なんかちょっと贅沢になってしまったのかな。ラーメンズを知らずに見ていたら、もっと感動していたかもしれない。
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余談。一階の時タミコが連呼していた「はるか17歳」ってのを聞いて、今モーニングでやってる「はるか17」の作者はこの舞台を見たのかなとちょっと思う。ちょっとだけ。