アトモスフィア/西島大介

アトモスフィア (2) (ハヤカワSFシリーズJコレクション)

アトモスフィア (2) (ハヤカワSFシリーズJコレクション)

一巻を読んだとき(id:ichinics:20060327:p2)には、なんか釈然としない感じもあったのだけど、読み終えてみると、ちょっと「やられたー」って感じがした。面白かった。

どう考えたってふざけてる。
だから それと同じくらい 自分がふざけなくちゃ つりあわない。(p144)

この台詞以降の展開は、古川日出男さんの『ルート350』に入っていた「一九九一年、埋め立て地がお台場になる前」、および昨日聞かせてもらった朗読の内容ともつながるところがあった。それを「うるう日」と表したのが古川さんで、西島さんの場合は、あれで。さすが、と思う。特に、最後の4話はアニメで見てみたいなぁ。

 「宇宙」/フィッシュマンズ

宇宙 ベスト・オブ・フィッシュマンズ

宇宙 ベスト・オブ・フィッシュマンズ

ここ最近こればかりかけている。買ったのは、もう約1年前で、時が経つのは早いような、とまっているような。
「空中」が「晴れ(昼)→夕暮れ時→夜」をイメージして選曲されたものであったのに対して、「夜→深い夜→夜明け」をイメージして選曲されたのがこの「宇宙」。
disc1は大好きな「ずっと前」からはじまって「新しい人」で終わるから、「空中キャンプ」を聞きまくっていた頃の、ヘッドフォンで聞きながらねたりとかするくらい、ほんとにあのアルバムばかり聞いてた、「空中キャンプ」のプールに漬かっているみたいな気分を、思い出したり、する。「エヴリデイ・エヴリナイト」はこの流れで聞くと全く印象が違うなと思った。
そしてdisc2が、やっぱりすばらしい。「ナイトクルージング」はデモの時点で歌が完璧に出来上がっているのにも驚かされるし「バックビートにのっかって」のデモもいい(これだけ欣ちゃんの解説がないのが気になるけど)。なんかあったかい感じがする、こもった打ち込みがいい。リミックスでは「MAGIC LOVE」のソウルセットmixがいいなぁ。ボサノヴァ風。未発表曲「A PIECE OF FUTURE」は映画「long season revue」にも随所で使われていて印象的だった。

いくつもの季節がすぎさって年をとっていく
きのうのことさえも ずっと昔みたいに
「ずっと前」

もうすぐ夏だ。