自然への畏怖、日常に潜む異世界への入り口、その光景を漫画という形におこすことにおいて、五十嵐氏は圧倒的な力を持っている。その象徴的な作品として「こんな冷え込んだ日には空を見ながら歩かないほうがいい」(「はなしっぱなし」収録)という12ページの短編を思い浮かべる。
上記の作品を収録した名作ばかりの短編集「はなしっぱなし」は、長らく入手困難だったが嬉しいことに2004年に復刊された。
IKKIコミックスでも「魔女」が出たし(本日二巻購入)、リトル・フォレストもでたし、2004年は五十嵐大介ファンとしては嬉しい一年だった。
自然をモチーフにしたファンタジーという点で五十嵐氏の作品に思い浮かべるのは、児童文学の巨匠、佐藤さとる氏の「コロボックル童話」シリーズ。この作品も2004年度に45周年を迎え、絵本の新装版がリリースされた。
そして小田ひで次の「ミヨリの森」にも五十嵐大介の世界を感じる。「拡散」「クーの世界」を経て、「ミヨリの森」は小田ひで次さんの懐の深さをみせられたような作品だった。宮崎アニメにも通じるテーマながら、より現実的な物語。とても好感がもてます。
しかしアフタヌーンってすごい雑誌ですね。
土田世紀/新井英樹/南Q太/松本大洋/小田ひで次/小原愼司/沙村広明/黒田硫黄/五十嵐大介/真鍋昌平/阿倍吉俊/木尾士目/弐瓶勉/漆原友紀
私が好きな人だけでもこーんなに四季賞(佳作等ふくむ)受賞してる人が居るってすごい。さがせばもっといるかも。