キセル

ichinics2005-03-12


私はキセルというバンドがとても好きなんですが、その魅力を人に伝えようとすると、なかなか上手く言えない。フィッシュマンズの後を継ぐのはキセルしかいない、とか不思議で気持ち良いノスタルジックな音とか、言おうと思えばいろいろ出てくるけど、なんか足りない。
なんで誰かかわりにすてきなお勧め方法ですてきにお勧めして! という時に今回のベスト&新曲のアルバム「タワー」(asin:B0007IO1GE)を出すと良いと思いました。
明和電機村上隆/柏原譲/森本晃司細野晴臣佐野史郎などなど、総勢10人のクリエイター選んだ名曲選=『タワー』なのです。
そうなのです。ベストだったのです。
私はてっきりリミックス盤だと思ってて、即買いしてしまったのですが、そうかーベストかー。ちゃんと確認しろよ私、と思いつつも、まあ新曲のシングル買ったと思えばいい感じです。あと前回のアルバム「窓に地球」がCCCDだったのに対し、今回はコピーコントロールなしのCDだったのでその点も良かった。これでやっとPCで「窓に〜」の曲が聴ける。
新曲「タワー」も良かったです。キセルの曲をおおきく分類すると、不思議サウンド、8ミリ映像のようなノスタルジックな美しいメロディ、その2つの中間との3つに分けられると思うのですが、タワーはまさに美メロ曲。この前のシングル「ペラ子の唄」は不思議、「タワー」にて森本さんが選んでいる「渚の国」は中間といった感じでしょうか。でもそんな分け方する必要ないか。一度聴けばその色が見える、オリジナルがきちんとある人たちだと思います。なんというか、一曲一曲に物語や風景の見える感じ。
そして、ライブも良いです。その歌声の柔らかさと、二人の声が重なった時の独特の深みに、ますます虜になってしまいました。兄弟ならではのゆるいトークも魅力です。
これからも、まったり、ゆっくり、活動していってほしいすてきなバンド。

簡単プロフィール
辻村豪文、辻村友晴による兄弟ユニット。兄豪文さんは「くるり」と大学のサークルで同期だったそうで、デビュー前に「くるり」のツアーにメンバーからのオファーでギタリストとして参加したこともあるそうです。