「THE PAST PRESENTS THE FUTURE」/her space holiday

ichinics2005-09-18
asin:B000AMJDEW (←輸入盤)
マーク・ビアンキの一人宅録ユニットher space holidayの6枚目となるニューアルバム。これがまた、とても気持ちのよいアルバムで気に入っています。少しさみしいけど、美しい、夕暮れに似合いそうな音楽。こういう気持ちにさせる音楽で、しかも踊りたくなる音楽というのは初めてかもしれない。
これの1つ前に、5thアルバム「the young machine」のリミックスが出ているのですが、残念ながらそれはまだ聴いたことがありません。ただ、もしかしたらそのリミックスを経ることで、これまでマーク・ビアンキが作り上げて来た音楽がまとめあげられ、視界がクリアになったのではないかなと、そんな事を感じさせる新譜でした。
今まで、HSHの音楽というと、ストリングスなどの印象的なフレーズのループによって構成されているものがほとんどだったのですが、今回のアルバムでは、1つ1つの曲がドラマを持ち、展開していくのが最も大きな違いだと感じます。といっても、手法が変化した、というのではなく、意図してストーリーを描こうとしている曲が増えたということなんじゃないかな。
特に気に入っているのは#5「you and me」。「君と僕、僕らは夏の夜について話すのが好き」という歌いだしも素敵です。
それから#7でのボーカルのサンプリングの仕方で久々にアバランチスを思いだした。そういえばあの1stは良かったなぁ。それから#2のボーカルラインがジャクソン5の「ABC」だったり#9にBEATLES「here comes the sun」のフレーズが挿入されたりするのも面白い。
また、日本盤にはボーナストラックが2曲入っているのですが、これがかなり良いです。#11「Love Is Just An Excuse (Spell It Out)」は鼓膜を叩く音の粒が気持ち良いエレクトロニカ。そして#12「Until The Kitchen Sinks」はBright eyesを彷佛とさせるドラマチックな展開。*1なので買うならだんぜん日本盤がおすすめ……なのにアマゾンで日本盤扱ってないのはなんでなのかな?

*1:そういえばHSHはウィチタからブライト・アイズとシングルも出してたらしい…というのを最近知ったのですが、まだ買えるのかな?