十年後の気分

日差しは暖かくて、冬なんだか春なんだかで眠いし、そんなふうに日々はどんどん過ぎてって、すでに2月も1週間たっていた2007年ですが、そんなぼんやり頭をハッとさせられたのが、「FLI-FLA」さんのこちらの文章でした。

さて、今年に入って最初に驚愕したことといえば、それは今年が2007年ということで、それはつまり10年前は1997年ということで、そんなの当たり前じゃねーか何言ってんだ馬鹿という感じですが、このサイトで僕が何億回と繰り返し言及してきたように、97年といえば中村一義の『金字塔』であり、エヴァンゲリオンであり、Radioheadの『OK Computer』であり、FINAL FANTASY VIIであり、スヌーザーの創刊の年であるわけで、未だに僕へ細胞レベルでの影響を残し続けるこうした諸傑作が続々とリリースされた重要な年から、というか、今でもハッキリとした記憶を思い返せるような年から10年も経ってしまっているという事実に、愕然としてしまったのです。
http://www004.upp.so-net.ne.jp/loomer/(2007年1月28日の文章より)

びっくりした。いつのまにか、鞄のそこに穴があいてて、中身がぜーんぶこぼれてた、って感じだ。
1997年は、わたしにとっても特別な年だった。もちろん「1997」というカードは全国共通じゃないんだけど、でもだからこそ、1997年は自分たちの年だった。そう、感じていた人は多いんじゃないかなと思う。それを世代っていうのかはわからないけど。
で、上に挙げられているすべてはもちろん、あの頃のいろいろは、今でも鮮明に覚えているし、どこかまだ続いている感じもしていて、
でもあれが、十年前だなんてびっくりだ。あたりまえだけど、もう、ずいぶん遠いんだな。

あと十年経ったら 何でもできそうな気がするって でもやっぱりそんなの嘘さ やっぱり何もできないよ 僕は いつまでも 何も できないだろう
「IN THE FLIGHT」

この曲の入ったアルバムが出た夏、まだ遠くにあってぼんやりとしているだけだった十年後はほんとうにきた。正直、こんな十年後だとは想像もしなかったし、そのくせなんも成長してないような気もして、ちょっとへこむ。
ただ、今になってみれば、1997年の自分だって気恥ずかしくってさぁ、と思うけど、やっぱ楽しかったし、あの頃の好きなもの、まだ好きでいられることはうれしく思う。

あぁ、この幼稚な気持ちが、どうか、永遠でありますように。
「永遠なるもの」

そして、次の「十年後」から見た今も、きっと気恥ずかしいんだと思うよ。

関連:「宇宙 日本 世田谷」/Fishmans
ちなみにうえに挙げた2曲をききかえしていたら、どちらもドアから始まる曲で、「ドアをノックするのは誰だ」を探し出してきたら1995年で惜しいと思った。