ボブ・ディラン 2010/3/28@ZEPP TOKYO

親がよくギター弾きながら「風に吹かれて」を歌っていて、もうそれ飽きたよ…って思っていたのが5歳くらい。その後、まさか自分でディランのCDを買うときがくるとはなーって思ったのが10代の後半。
特に好きなアルバムは「The Freewheelin' Bob Dylan」「Bringing It All Back Home」「血の轍」あたりで、特に「血の轍」は本当によく聞いた*1
そして日曜、まさかボブ・ディランのライブを見れるときが来るなんて…、という感慨深い気持ちでライブに行ってきました。

開演してまず驚いたのは、ある程度覚悟していたものの、知ってるはずの曲でもさっぱりわからないくらいに、演奏も歌も原型をとどめてないことだった。
予習のつもりで最近「The Rolling Thunder Review」を聴いていたんだけど、当時は(といっても30年以上前だけど)ずいぶん原曲に忠実だったんだなと思う。それでも、4曲目に、これが聴けたら本望だと思っていた「運命のひとひねり」は、すんなりわかったことにちょっと安心する。
混雑していたうえに、ディランはキーボードに向かっていることが多く、ほとんどその姿が見えなかったのは残念。でも中央にいたチャーリー・セクストンはちゃんと見えました。セクシーだった。

この日いちばん盛り上がったのは「highway 61 revisited」だったと思う。お客さんの反応もよかった。そして「やせっぽちのバラッド」で1部が終わる。このアレンジはかっこよかった。
そしてアンコールは今回のツアーで定番になってる(たぶん)「Like A Rolling Stone」。
これがまた私の知ってる「Like A Rolling Stone」とは全然違っていて、次こそは、次こそはと思って最後までサビを歌えなくてちょっと悔しかった。そんな風に、何の曲かわかっても、つい自分の知ってるラインを浮かべてしまって、今ひとつライブに集中できなかったようにも思う。
そして、翌朝ラストに披露された曲のタイトルをきいて、それが幼いころ散々聴いてたあれだと知ったときには思わず笑ってしまった。

一度はみたいと思っていたディランだし、いまだに現役であるという迫力を間近に見れたことはとても満足なのですが、二転三転してもう知らないディランになっていた、という感じもした。ずっとライブを見続けていたら、こうやって変わっていくのかってのがわかって楽しいのかもしれないけど、間の何十年が抜けてしまってる私のような客からすると、せめて1曲くらいは大合唱したかった、もしくはディランがひとりでギター持って歌う曲を聴きたかった、と思ったりしました。
でも「運命のひとひねり」聴けたのはほんとうに嬉しかったな。

*1:って入ってる曲勘違いしてたりしたけど