ヘイ君に何をあげよー

起き抜けに、ブォーンて、マックたちあげてそのまま、顔洗ったりご飯食べたり、でまたパソコンに戻ってきてネットをぶらぶらして、あ、このページいいな、あ、ラジオやってる人だ、って、それ聞きながら着替えたりする感じはとなりの部屋から聞こえてくるおしゃべりのような、遠いけど親密なもので、このひと好きだなー、ってしみじみしてたらふと、流れてきた音があんまりきれいでちょっとなきそうになった。というかちょっとないた。
なくってのは別にかなしいとかうれしいとか理由のあるものじゃなくって、たとえば窓の外ぼんやりみていて、ふいに、あーきれい、と思ったりするときのようなこと。うたた寝しながら、近くにいる人の笑い声聞こえて、幸せだと思ったりするときのようなこと。
そんな、あたりまえにあるけど、自分では押せないスイッチのようなものを、パソコンから流れるその音が押したことがうれしくて、その曲を作った人にお礼をいいたくなる。
でもどんなことばでそれをいえばいいのかわからないし、そういうことばかり考えていて何も言えなくなる私は勇気が足りないのかもしれない。くれよ、といいたいんじゃなくって、ただ勝手にもらってしまっただけのものに、感謝する言葉があればいいのに、なんてへたれたことを思いながら、けど待ってろよ、いつか、感謝とともに好きですと、言ってやるんだ、と誓う。