「おやすみプンプン」1巻/浅野いにお

おやすみプンプン 1 (ヤングサンデーコミックス)

おやすみプンプン 1 (ヤングサンデーコミックス)

浅野いにおさんの新作。
プンプンという少年の日常を描いたお話で、「昭和60'sチルドレン」や、すぎむらしんいちさんの「小林君」「少女カメラ」の雰囲気に近いと思った。こういうお話はとても好きです。
読みはじめて、まず目を引くのは、基本的にその心象風景をビジュアル化しているような画面。プンプンの見た目はハトよめみたいだし、主人公の台詞はないし、よくわからない神様はでてくるし、先生たちはみんなちょっとネジがとんでる。でも、描かれる出来事はひたすらリアルで、リアルって言葉はまあ、うさん臭いけれども、つまりいつか経験したことのあるような世界だったりする。
一見すると奇抜な表現にも思えるんだけど、とても抑制された、丁寧な漫画だと思った。これまでの作品でいえば、たぶん「虹ヶ原ホログラフ」と近くて、でも、あそこで開ききれなかった部分がここにあるような気がする。
読んでいると、自分が小学生男子だったことがないのが残念になる。けど、でもそのころの気分てのは、きっとこんなふうだったんじゃないかな、と、思う。どうかな。かつて男子だったひとの感想を読みたい。
それから、この漫画にもでてくるエピソードで、昔はよく道ばたにエロ本が落ちてたものだけど、今はどうなんだろう? と思った。見かけないのは、草むらを歩かなくなったからだろうか。