夜、海へ還るバス/森下裕美

夜、海へ還るバス (アクションコミックス)

夜、海へ還るバス (アクションコミックス)

森下裕美さんの漫画は、一番有名な「少年アシベ」はアニメしかみたことなくて「大阪ハムレット」も1巻しかよんだことがないんだけど、これはなんとなく気になって買ってみた。
主人公の夏子は、男性ではなく女性とセックスする夢をみる自分は、もしかしたら女性が好きなのではないか…と考えていた。そこで婚約者に、結婚前に確かめておきたいから女性と浮気させてくれ、と話し、相手を探しはじめる…というのがあらすじ。
正直なところ、お話にはあまり入り込めなかったんだけど、それは、森下裕美さんのようにわりとディフォルメされた絵柄の人が、シリアスな物語を書く時に、どうやら私は少し違和感を感じてしまうからなんだと思った。例えばこの本を読んでいて最初に思い出したのは業田良家さんだった。あとは「預言者ピッピ」での地下沢中也さんとか、なんかこう、生々しい感じがするのはなんでなんだろう。
もちろんこれは個人的な好みの問題だし、この「ディフォルメ」の線引きってのもかなり曖昧だ。例えば藤子不二雄作品にそれを感じることはないから、絵柄の話じゃないのかもしれなくて、そのへんうまく説明することができなくてもやもやする。