- 作者: 山川直人
- 出版社/メーカー: エンターブレイン(角川GP)
- 発売日: 2007/04/25
- メディア: コミック
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それは先日オノナツメさんの作品について書いたのと同じで、ディフォルメされた絵柄にどうも構えてしまうところがあるからなのだけど、この「ナルミさん愛してる」とその他の短編は、思い描いていた雰囲気そのままながら、とても素直に、好きだなと思える作品だった。そしてこの帯に推薦文を書いているのがオノさんだっていうのが個人的には奇遇な気がする。
この本には、3本の読みきりと、その中の「おねえちゃん」という短編の続編ともいえる「ナルミさん愛してる」という掌編シリーズが収録されています。
この「ナルミさん愛してる」が、シンプルなんだけどすごくすきな話だった。「ドミノ」という人形の視点から、ナルミさんという女の子の生活が描かれるのだけど、その底辺にずっと、流れる思い出が切ない。
誰にも知られるはずがない、人がひとりでいるときの顔を描くというところで、新海誠監督の「彼女と彼女の猫」*1を思い出したりした。
悲しいと嬉しいがすごく近くにあるラスト2話がとくにいい。そこにいたるまでの33話があるから、よりぐっとくるのだと思う。