朝、テレビ、自転車

蒸し暑いなーて思いながら眠り、目覚めた時には案の定、布団ははねのけられている。ねぼけたままお湯湧かして、支度しながらコーヒー飲んで、ばたばたばた、TVの向こう、名前もしらないアナウンサーがおはようございますと、顔を上げるのをまってスイッチを切る。むこうとこっちの距離が、急に離れるみたいな気分。

意図的にではないのだけど、たぶん母親が冬のソナタにはまったせいで、私はほとんどテレビを見なくなった。というかテレビが常に冬のソナタになってしまった。冬ソナブームが終わったあともしばらく韓国ドラマにテレビは独占され、私はそのままテレビを見ることをほとんど忘れていた。
でも最近、久しぶりによくテレビをつけるようになって思うのは、テレビって見たいものが見たいときに見れるわけじゃないんだなーということだった。スイッチを切っていても、テレビの向こう側はずっと流れてる感じがする。なんだろ、セワシ君が過去ののび太を画面上で見てる感じだろうか。違うな。よくわかんないけど、毎朝、アナウンサーの人があそこにいるのは、毎朝使う駐輪場のおじさんに挨拶するのと、同じようで私の気分は全然違う。でもなんでそんなこと今さら思うんだろう、ってくらい、テレビを見るときの気分みたいなものを忘れてしまった。

忘れたなー、とか考えながらまあいいかと思う。久しぶりに、 i-pod 持って家を出る。気分が良くなって、わたしの生活に足りないのは音楽だったんだーとか、たぶんこれまで何度も思ったことを思う。自転車をこいで駅まで5分。駐輪場のおじさんは、毎朝「おはようございます」と声をかけてくれる。そこで、おはようございます、と返す声が、私の1日の最初の声だ。