負け戦


毎日眠くて仕方ない。眠気に耐えてるときって、背筋はゾッとするし、膝は抜けそうだし、手先に力入らないし、なんか目が乾く気がするし、でも耐えなきゃと思って全身に力いれてるのに、顔だけ力入らなくて頭もぐらぐらしてくるし、そうしてるとそのうち、時間がスキップしたりして、会議が終了していたり、目覚まし時計がとまっていたり、目的の駅を通り過ぎるところだったり、何事も起きてないかのように、しんとしていることもあるけれど、もしかしたらこれも夢なのかもしれないと思うこともあって、もう何も信じられないと目を閉じた後、足を踏み外したときのような無重力感に驚くのと、落とした文庫本がつま先に当たったのに気づいて目を覚ますのはほぼ同時だったりして、それを拾い上げながら、ねじれた紙の裏表のようだと思ったり思わなかったり、開いたドアから大雨の音が漏れ聞こえたような気がしたりしなかったり、誰かに呼ばれた気がして背筋をのばす、そのときの気分は「授業中」のあれで、そういえばこのまえの結婚式で再会した高校時代の友人に「あんたは授業中ねてばっかりで教卓の真ん前が指定席になったのにそれでも寝てるから度胸あるなーと思ってた」といわれたけれど、それは度胸ではなく単に、意識が途切れただけでそんなふうに、わたしは毎日眠くて仕方ない。たぶん、季節の問題なんだと思うけど(思いたいけど)。