- 作者: ジャックケッチャム,Jack Ketchum,金子浩
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 1998/07
- メディア: 文庫
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読んでいる間はせかされるようにページをめくっていたから、面白かったのだと思う。ただ、そのページをめくるということ自体が、この物語で主人公が負う「罪」とも重なっていくようで、気が重かった。
あとがきでも書かれていたように、この物語のきっかけとなる隣の家の母親、ルースには、作者の興味が向けられていないように感じる。ルースの動機のようなものは特に描かれないので、想像するしかないのだけれど(そして想像することはできるのだけど)、むしろそのことが、子どもたちの視線とも重なって、恐ろしかった。起こっていることに、まず身を委ねてしまう彼らを無邪気とは言えないのだけど、そのことで、何かが大きく失われていく(それは少女に関してだけでなく)ことへの無責任さ、無自覚さが、本のこちら側と向こう側の距離ほども離れているようで、とにかくどんよりとした、後味の悪い読書だった。そして、たぶんこれは褒め言葉なんだと思う。その証拠に、というわけではないけれど、今度は「オフシーズン」を買ってきて読んでいる。そして読みながら、やっぱりちょっと後悔している。
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「隣の家の少女」を読み終えたあとに感想を検索していたら、こんな質問を見つけた。
最悪の読後感を味わわせてくれる小説を教えてください。「期待して読んだら外した」は該当しません。
わたしのワースト3は次のとおりです。
- 隣の家の少女(ジャック・ケッチャム)
- ぼくはお城の王様だ(スーザン・ヒル)
- 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない(桜庭一樹)
ネタバレ有りの感想を↓にリンクしておきます。
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2005/07/post_66b1.html
「感動的な」「泣ける」「爽やかな」物語なんていりません。
読んだことを激しく後悔するような、劇薬小説を、教えてください。
http://q.hatena.ne.jp/1122422363
私にとって最悪の読後感だった小説といえば、新井素子さんの「おしまいの日」だ。読んだのは中学生の時なので、記憶は曖昧なのだけど、読んでいる間の怖さ、気持ち悪さははっきりと覚えている。読み終わった後、しばらく友人たちにも「様子がおかしい」と言われるほどだった。もう二度と読みたくない。…というのももしかしたら褒め言葉なのかもしれない。