打ち合わせ帰りの東西線で、向かいに座っていた男の子がおもむろに紙袋を開き、中から取り出したのは小さなチーズケーキだった。同じような形をしているのを私も食べたことがある。隣に座っている同じ制服を着た男の子と「もう一個食べる?」「いや、晩御飯食べれなくなるからやめとく…」なんて会話をしているのが聞こえて、ふと少食なうちの弟のことを思い出した。
片方の男の子が電車を降りた後、車内に残ったもうひとりは再び紙袋を開き、今度はこっそりとチーズケーキを口に運んだ。その後ろに広がるうすいオレンジに目を細めながら、私が思い浮かべるのは電車を降りてしまった彼の晩御飯のことで、チーズケーキをほおばる彼の考えていることもきっと同じだろうなって気がした。
思えばほとんどの人が同じような時間におなかをすかせているというのは不思議なことだ。しかし私の(少食な)弟の好きな甘いお菓子といえばすあまで、長年同じ時間に同じ献立の食事をして生きてきたというのに、私はすあまが好きじゃないというのも、考えてみれば不思議なことだ。
最近、人の体型はある程度遺伝子で決まっているのという話を読んだんだけど、もしかしてそのように食べる量とか食べ物の趣味とかも、ある程度は遺伝子で決まっているのかもしれない。だとしたら私が高校生にしてルマンドを食べ飽きるということも…とか、そんなわけはないだろうけど、「だから同じ時間におなかがすくのは当たり前」と考えるより、「なぜかこの電車に乗ってる人のほとんどはいまおなかが減っている」と思う方が楽しい気がするのは、その「なぜか」の部分に何かがあるような気がするからだし、その何かをまだ知らないからなのかもしれない。
ところで
ちょっと続けて日記を書いてみようと思ってます。
まあ、普段からわりと頻繁に書いてるんだけど、感想とかじゃなくて日記を、1日1つづつ1週間くらい続けて書いてみて、それでまた翌週くらいにその中のどれかの日の日記を書き直してみるというのをやってみたい。まあ、そんなことして何が楽しいんだろう…と思わないでもないんだけれど、面白いかもしれないし。
そんなわけで、しばらく相変わらずな感じの日記が続くと思います。