眠っている間に見た夢のはなしほど支離滅裂なことってない…と以前言われたことがあって、それはその相手なりの遠まわし(でもないか)な、「夢のはなしはもうたくさんだ」という意思表示だったのだと思う。けれど、私は今でも見た夢のはなしをするのが好きだし、聞くのも好きだ。そして今朝見た夢がなかなか面白かったので、せっかくだから日記に書いておきたいと思う。もちろん支離滅裂になってしまうとは思うけれど、それはまあ。
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私たち3人は、下北沢の南口商店街を駅から王将方面に向かって歩いていた。右手にあったはずのアンゼリカが、いつの間にか左手の、珈琲屋があるあたりにロッジ風の建物になって新装開店しており、「しばらくこないうちに変わるねえ」なんて言いながら、ふと道の先を見ると今度は、5階ほどもある巨大な銭湯ができていた。入り口には「湯」と染め抜かれた藍色の暖簾がかかっていて、入り口には居酒屋メニューのようなものもある。もともとビール気分で歩いていた私たちは、たぶん一斉に、風呂入ってから一杯、というイメージを思い描き、ちょっと寄ってくか、ということで合意した。
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柔らかな蒸気につつまれた浴室はひのきのいい匂いがした。正方形の木風呂の周り、コの字形に並んだ洗い場に空きを見つける。備え付けの石鹸も、借り物のタオルも、真新しく真っ白で気分がいい。
風呂からあがった後は、糊の利いた浴衣を羽織っていそいそと宴会場へ向かった。
一列に並んだ座卓に席をとり、友人のグラスにビールを注ぐ。泡で口のまわりにヒゲをつくった友人の顔を見て笑いながら、ふと窓の外に目をやると、すぐそこまで伸びた枝の蕾が、ゆっくりと開きかけていた。「あれ、これ桜じゃない」などと指差している間に、枝はみるみるふくらみ、立ち上がると眼下に見える大きな川も、白い雲のような桜並木に縁取られていた。
気づくと宴会場にいる人のほとんどが窓の外を覗き込み、ビールを片手に川沿いを歩く人に手を振ったりしている。
こんなところに川があったなんて、と思いながら「ねえ、あの川なんていう川?」と訊くと、誰かが「あれが鴨川だよ」と言った。
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というわけで以上は昨夜、「新釈 走れメロス」の中の「桜の森の満開の下」を読んでいたから見た夢だと思われます。花見できてうれしかった。