映画、夕焼け、面倒


「告白」を見た後、もしも自分が子どもの時に携帯があるのが当たり前だったとしたら、どんな毎日だったのか、ぜんぜん想像がつかないなと思った。
自分が小学生の頃の共通の話題といえばやっぱりファミコン世代なんだけど、私はたしか小学校高学年くらいまでファミコンは買ってもらえなくて、時には悔し泣きした夜もあったものの、今思えばジャンプ読みつつ、友だちがドラクエやってるの見るだけでわりと満足していた。気が向いたらダンジョンの地図書くのを手伝ったり、勝手に地図広げてあとから文句言われたり、なんてことを思い出していたら、楽しい気分になったのでよかった。

映画を見に行きたくて定時であがった日、駅のホームから空を見上げると、山のような黒い雲の上から少しだけ青空がのぞいていて、まるで山間の駅に来たみたいだなと思う。特に思い浮かべる場所がある訳ではないけれど、駅前の喫茶店にはチェックのシャツをきた登山客が集っていそうな雰囲気だ。ふと背後をみると、雨雲が通り過ぎたせいか、こちらは見事な夕焼けが広がっていた。電車に乗る。ガラガラの車内で、窓にへばりついて、この季節のこの時間が好きだなと思う。
例えば、夕焼けがきれいだなーとか、そういうことを言いたいとき、twitter みたいな所があるのはとても楽しい。だけど、でも少しもったいないような気もしている。

つまり、好きなことは単純で、ちょっと面倒なくらいがいいなと、思うこともある。そして、面倒なことしたいのは、好きだからだなとも思う。