少し前に読んでとても気に入った「パスタマシーンの幽霊」*1と同じく(たぶんそれより前に)雑誌「クウネル」に掲載された掌編を中心とした作品集。「パスタマシーンの幽霊」よりは、じゃっかん、テーマが偏っているし、ひとつひとつのお話も短いです。鞄の中に入れておいて、毎日ちょっとずつ読むのにぴったりな本だったと思う。
- 作者: 川上弘美
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/02/26
- メディア: 文庫
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例えば、生姜がうまく刻めたとか、煮物に失敗したとか、喫茶店に寄ろうとして寄らなかったとか、風邪をひいたとか。毎日の中で、手を握ったり、開いたりする、その瞬間の前後にも私はいるみたいに。
「パスタマシーンの幽霊」にも登場する“杏子”のお話もあった。切ないお話だったけれど、私はその後の彼女のお話を知っているんだよな、と思いながら読むのは、なんだか不思議でよかった。