楽しかった話

先日、初めて同人誌というものを作ったのですけどとても楽しかった。
もっとはやくやってみたらよかったなとも思ったけど、そういう方向に熱が向かなかったのでそれは仕方がない。ものごとって色々タイミングですよね。

以下少し覚え書きを書いておきたいなと思います。

私はわりと石橋を叩くタイプ(つまり小心者)なので、とりあえず参加するイベントのひと月前に入稿するために諸々の準備を3か月前くらいからはじめることにしました。結果としてほぼ予定していたスケジュール通りに進行できたのですが、原稿を作ること以上に、初めて使うもの(イベントに参加するための諸々とか印刷所の見積りとか入稿データの作り方とか)の仕様を読んでそれにあわせて準備をすることに手間取った気がします。
ちなみに1番手間取ったのはサークルカットです。ふだんカタログを熟読したりはしないので、あれにどういう要素を盛り込めば良いのかってことがまったくわからなくて困った。

でもまあそういうのは予定ができないとやらないし、一度やってみればだいたいわかったりもすることなので、次はそこをショートカットできるんだなと思うと気が楽です。なんて自然と「次」を考えてしまうものなんだな、とも思いました。

参加にあたって1番心配だったのは、左右の人と挨拶する際に本を渡すしきたりがあるという噂は本当かということ(結果そんなイベントは発生しなかった)、島中の席からはどうやって出入りするのかということ(買い物しに行っているときには気づかなかった出入り口がちゃんとあった)で、あっさり解決したのはいいのだけど、問題はそんなことではなかった。

私は自分の書いたものをわざわざ買いにきてくれる見ず知らずの人がいるということにあまりリアリティは感じていなかったのだけど、
この机の上にあるこの本を目指して歩いてきてくれる人が本当に存在するということに、とても嬉しいのはもちろんだけど、ちょっとこわくなった。

この日記を続けていることにしても、私はわりと自己満足をモチベーションにするタイプなんだと思います。
それはそれで自分を動かすには便利なんだけど、でも自己満足の域を出れないのも確かで、
その時、私はちゃんと買ってくれる人がお金を出すに価するものを作れたのかな、という事が気になりはじめてしまうのがこわいと思った。
でもまあそれを気にするのは悪いことではないと思うし、どうだったかな、うまくできたかなと思いながら、次はもうちょっとうまくやりたいと期待してもいる。
そんなわけで、予定を決めてそれに向けて準備する文化祭感と、そうやって準備したものを手に取ってくれる人がいるということの有り難みとが相まったイベントで、
まだちょっと現実味がなくてフワフワしてるけど、かなり楽しかったのは確かだと思います。

改めて、何か新しいことをやってみるというのはいいなぁと思ったという話でした。
慣れないことに苦戦するっていうのは、初めての国に旅行しにいくみたいな感じですよね。
地図がちょっとでもあたまに出来上がると、また行きたくなる。