横浜トリエンナーレ2005

横浜トリエンナーレの全体的な印象としては、芸祭みたいな雑然とした感じがわくわくするし、ロケーションも良いし(倉庫街とか大好きです)、参加できる作品も多くて十分楽しめた。ただ、映像系の作品については腰をおちつけて見る気にならないものが多かったような気がする。
以下、ちょっと気になったのをメモ。
入り口にあったあの旗の道(ダニエル・ビュラン「海辺の16,150の光彩」)はやっぱり壮観だった。あちこちにできた水たまりに旗が写っていてきれいだ。やっぱりアートサーカス見たかった。(画像は帰り道に携帯で撮ったやつ)

それからジャコブ・ゴーテル&ジャゾン・カラインドロスの「天使探知機」。ここにあった説明で沈黙になったときに「天使が通る」と言うのはフランス語が由来だと知った。説明見ないで入った私は、「天使が通る」もしくは「天使はいない」って落ちだろうなと思って見ていたんだけど、こういろんな作品に対してオチを期待してしまう態度はよくないなってちょっと反省。ちなみに周囲に静寂が訪れるとライトが灯る仕組みになっていたらしいのだけど、会場自体がうるさかったせいか、一度も天使は通らなかった。
黒田晃弘さんは会期中、終日似顔絵を書き続けてるのだけど、ちょうど書きはじめのところを見ていて、手のひらで描いてるのがすごく印象に残った。モデルの人と会話をしながら、何かの輪郭をとるように紙をなでているうちに、なんとなく顔に見えてくる。不思議。
奈良美智grafの展示も、良かったなぁ。小屋の中に作品がある形なんだけど、その小屋が外に繋がっていて、なんだかトムソーヤっぽかった。かかってる音楽も気になったな。あそこはあのままお店とかにしてもいけそうだったけど、まあそれくらいキャッチーだったということ。それから、雑然とした印象の多い展示会場だったけど、ここの空間だけはきちんと管理されてるような感じがした。
中庭の空中綱渡りをしている動物たちはマーリア・ヴィルッカラという人の作品だと帰ってきてから知ったのだけど、これもかわいかった。
あと中庭にあったミリオンママはちょっと衝撃だった。電話ボックスで鳴っている電話をとると「お母さん」が話しだすんだけども、これがまた、つい相づちをうちたくなるような感じで。何人分か聞いたんだけど、一人、泣き出してしまうお母さんがいて参った。

でも一番印象に残ったのは(誰の作品かわからないけど)暗いブースにあったブランコでした。座るとライトが着く仕組みになっていて、重いのでゆっくり揺れる。なんかすごくうっとりできて、いつまでも乗っていたくなるようなブランコ。何故だか「ビッグ・フィッシュ」に出てきたサーカスを思いだした。
もう1つ誰の作品かわからないんだけど、真っ暗な部屋の中でボタンを押すと体育倉庫のような場所が照らされる展示が印象に残った。意図的に作り出されるフラッシュバック現象みたいで、夢に見そうだ。
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他にもいろいろあったのですが、いかんせん現代美術の知識自体もないので作品と作者の名前がまったく一致しない。
でもそんな状態でいっても楽しめるお祭りだったと思います。でもやっぱり天気の良い日のがもっと楽しいだろうなー。